「VMwareの方向性にブレがないこと、そして、それを着実に実行していることが裏付けられた」――。VMworld 2018に日本法人側のトップとして参加したヴイエムウェア 上級執行役員副社長の山中直氏は、同イベントをこう総括してみせた。全世界から約2万5000人、日本からは過去最高となる約380人が参加したVMworld 2018は、Amazon Web Services(AWS)との戦略的連携がさらに強化されたほか、NSXをはじめとするVMware製品の進化、エッジの仮想化といった新たな方向性も示された。山中氏にVMworld 2018を振り返ってもらった。
ヴイエムウェア 上級執行役員副社長の山中直氏
--今回のVMworld 2018は、VMwareにとって、どんな意味を持つイベントになりましたか。
VMwareは、2011年に「ビジョン」を打ち出し、今回のVMworld 2018でも同じものを示しました。7年の間には若干の修正はあるものの、“Any Cloud、Any Application、Any Device”で示される3つの階層は変わらず、同じものを7年間使い続けてきたわけです。これまでVMwareが目指してきたことが、さまざまな製品や技術によって着実に実行してきたことを裏付けるものとなりました。VMworld 2018を通じて、VMwareの基本姿勢がブレずに、進化してきたことを、改めて訴えることができたのではないでしょうか。
2018年の「VMworld」で示されたVMwareのビジョン
これは「VMworld 2017」で示されたビジョン。プライベートクラウドの文字があった
特に今回は、ビジョンの図の中にある“Any Cloud”の領域において、“ハイブリッド”クラウドという言葉が追加されています。これとともに、ハイブリッドクラウドと、マルチクラウドの定義を初めて明確にしたともいえます。VMwareが定義するハイブリッドクラウドとは、同じ基盤上において、オンプレミスとパブリッククラウドを動作させることを指し、ここではAWSとの戦略的提携が重要な意味を持ちます。そしてマルチクラウドとは、基盤が異なるクラウド環境を含めたものになります。ビジョンの図に、「ハイブリッドクラウド」という言葉が追加されたのは、VMwareにとって、ハイブリッドクラウドはもはや当たり前のものとなり、次に訪れるマルチクラウドをこれから意識していく姿勢を示したものともいえます。