「Windows 10」の機能アップデートのペースが速すぎるというITプロフェッショナルの声を受けて、Microsoftは同OSへの新しい機能アップデートのサポート期間を延長しようとしている。その一方で、年に2回のWindows 10の機能更新をリリースするポリシーは今後も継続する意向だ。毎年3月と9月に新機能のアップデートをリリースするこのポリシーは、これからも維持される。
その代わり、Microsoftは「Windows 10 Enterprise」および「Windows 10 Education」エディションのユーザーのみを対象に、新しいサポートスケジュールに移行する。これにより、それらのエディションのユーザーは事実上1年おきにOSをアップデートするだけで済むようになる。
まず、「Windows 10 Home」「Windows 10 Pro」「Office 365 ProPlus」のユーザーは全く影響を受けない。これらの製品への年2回の機能アップデートは、3月と9月の機能リリースの両方で18か月間サポートされる。米国時間9月6日に発表された変更の影響を受けるのは、Windows 10 EnterpriseおよびEducationのユーザーだ。
Windows 10 EnterpriseおよびEducationエディションの現在サポートされている全ての機能アップデート(バージョン1607、1703、1709、1803)は、最初のリリース日から30カ月(2年半)の間、サポートされる。9月のリリースを目指すWindows 10 EnterpriseおよびEducationエディションの今後の全ての機能アップデート(バージョン1809から適用)は、リリース日から30カ月間サポートされる。
提供:Microsoft
3月のリリースを目指すWindows 10 EnterpriseおよびEducationエディションの今後の機能アップデート(バージョン1903/開発コード名「Windows 10 19H1」から適用)は、これからも最初のリリース日から18カ月間サポートされる。Microsoft関係者によると、この18カ月のサポート期間は、より高速なWindows 10機能アップデートの提供ペースに満足している人をこれまで通りサポートするという。
9月のアップデート向けにサポート期間を延長し、3月のアップデート向けに延長しない理由について、OfficeおよびWindows担当コーポレートバイスプレジデントのJared Spataro氏は、予算サイクルの都合や、アップデートに関して話題が出てくる時期(Microsoftの「Ignite」や「IT Pro」カンファレンスが秋に開催される)であることから、顧客は秋にアップデートする傾向にありそうだと同社が考えているためだと述べた。
筆者はSpataro氏に対し、春と秋のアップデート向けのサポートの違いは、Microsoftが春のアップデートを「マイナー」、秋のアップデートを「メジャー」と考えているということなのかと聞いたところ、そうではないと同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。