Googleは米国時間10月6日、同社ブラウザの最新バージョンである「Chrome 70」をリリースした。Chrome 70への追加機能で最も期待されていたのは、Googleアカウントへのログイン時のChromeの挙動を制御できる新しい設定オプションだ。
Googleは9月、ユーザーがGoogleのウェブサイトにログインしたときに、ユーザーをChromeブラウザアカウントにこっそりログインさせていたとして、批判を浴びた。それを受けて、同社は新しい設定オプションを追加した。
Chrome 70に追加されたこの新しい設定は「Chromeへのログインを許可する」というもので、デフォルトで有効になっている。このオプションを有効にしておくと、Chrome 70は「Chrome 69」と同じように動作し、ユーザーが「Gmail」やYouTubeにログインすると、自動的にChromeの同期アカウントにもログインする。
「Chrome へのログインを許可する」という項目が追加された
提供:Google
ユーザーはこの設定をオフにすることができる。その場合、Chromeの同期アカウントに自動的にログインすることなく、Googleのウェブサイトにログインできる。
さらに、GoogleはChromeの同期アカウントの「同期ステータス」を表示する新しいUIも公開した。
この新しいUIでは、ユーザーのアカウント名の上に「同期していません」または「同期しています」と表示されるので、自分の閲覧データがGoogleのサーバに送信されているのかどうかを簡単に確認できる。
「同期していません」または「同期しています」と表示される
提供:Google
Chrome 70ではTLS 1.3に対応した。Chromeは何年も前からTLS 1.3のドラフト版をサポートしていたが、Chrome 70でTLS 1.3の正式版をサポートした。この正式版は2018年3月、Internet Engineering Task Force(IETF)によって承認された。
Chrome 70には、「Web Authentication API」への2件のアップデートも含まれる。これにより、開発者は「macOS」の「TouchID」、「Android」の指紋センサによる認証をサポートできるようになる。
提供:Google
「Web Bluetooth」(ウェブサイトがユーザーの選択した近くのBluetoothデバイスとGATTで通信できるようにするAPI)が「Windows 10」のChromeでも利用できるようになった。Web Bluetoothは2017年に「Chrome 56」でサポートされたが、Android版と「Chrome OS」版、およびmacOS版のみが対象だった。
GoogleはChromeが「AppCache」を処理する方法にも変更を加えた。Chrome 70以降、ウェブサイトはAppCacheデータの設定や取得を行う際、HTTPS経由の安全なコンテキストでそれを実行することが必須となる。
Chrome 70にはこのほか、複数の改良やセキュリティ修正が加えられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。