デルとEMCジャパンは10月19日、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで年次イベント「Dell Technologies Forum 2018-Tokyo」を開催した。「Make It Real」をテーマに、デジタル、IT、ワークフォース、セキュリティという4つのトランスフォーメーションを軸に、Dell Technologiesが持つ7つのブランドの最新ソリューションと最先端技術を紹介、Dell Technologies会長兼最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏の基調講演のほか、40以上のセッションや約80の展示ブースが用意され、産業用VR体験コーナーやオープンプレゼンテーション、ハンズオンラボによるソリューション体験もできるイベントなった。
基調講演の冒頭では、デル 社長の平手智行氏とEMCジャパン 社長の大塚俊彦氏が登壇。平手氏は、顧客企業のデジタル化について「話を聞くと2通りある。1つは、デジタル変革を味方につけ、競争力を高めたい、やりたいこともたくさんあるが、過去の成長を支えた既存システムに関わる保守、メンテナンスにコストがかかり、デジタル変革が進まないという。もう1つは、厳しい状況を乗り越えるべく、情報システム部門が経営者の参画を促し、事業部門と拡大した新しいチームを編成してデジタルに取り組んでいる」と紹介した。
あいさつに立ったデルの平手智行社長(左)とEMCジャパンの大塚俊彦社長
特に後者の点で平手氏は、実績のある新たなデジタルツールや新たな技術を顧客が取り込むことで、「いろいろなことが見えてきたという声を聞いた。今日のフォーラムでは、この2つの声に対応すべく事例やツールをたくさん用意した」と述べた。平手氏のコメントを受けて大塚氏は、「調査で日本企業の66%が今後デジタル変革を全社的に展開していくと回答している。『Make It Real』の事例を通じ、(デルとEMCが)デジタル変革を支援し、一助になる内容」などとした。
Dell氏の基調講演は「変革を実現し、革新的な未来へ」をテーマに、企業がビジネスを成功させるためのアプローチとして、同社の提唱する「デジタル変革」「IT変革」「ワークフォース変革」「セキュリティ変革」――4つの変革の重要性を訴える形で進行した。
同氏は、「4つの変革が同時に起きていることを理解しなくてはならない」と呼び掛け、「特にデジタル変革は全ての企業の中心にある。デジタル変革をしなれば、企業は遅れを取ることになる。日本は、デジタル化に対する政策を打ち出し、国を挙げてデジタル変革を支援体制が整っている」と、日本市場に対する見方を述べた。
その上で、「ITはあらゆるビジネスに関わるものになり、経営者がテクノロジを真剣に考える時代が訪れ、それを中心に経営を考えている。テクノロジを活用し、新たなサービスを創出することで、人の役に立ち、企業を成功に導き、ビジネスとテクノロジの好循環が生まれることになる。デジタル変革はIT部門内にとどまるものではなく、経営者を含めた取り組みで、企業の戦略に直結する」と、企業におけるITの役割が大きく変化している状況を示唆し、「その中心がデータだ。データがエッジからどんどん発信される。例えば、現在の車はタイヤを履いたコンピュータといえる。データを活用することで、価値を高めていくことができる」と語った。