GitHubで2018年に人気のあったオープンソースプロジェクトの統計が公開された。それによると機械学習(ML)や3Dプリント、データ分析といった分野が急成長を遂げており、具体的なプロジェクトとしては「TensorFlow」や、IT部門向けの自動化ツールである「Ansible」や「Kubernetes」が含まれている。
このランキングは、GitHub関連の多くのアップデートとともに発表された「The State of Octoverse」レポートで示されている。Microsoft傘下のGitHubは、同社のリポジトリに登録されている9600万を超える世界中のソフトウェアプロジェクトを対象に、2017年10月1日から2018年9月30日までの期間での貢献者数からオープンソースプロジェクトの人気ランキングを導き出した。トップ10位には以下のプロジェクトがランクインしている。
- Visual Studio Code
- React Native
- TensorFlow
- Angular CLI
- Microsoft Azure Documentation
- Angular
- Ansible
- Kubernetes
- npm
- DefinitelyTyped
また、最も成長著しいオープンソースプロジェクトとして「Microsoft Azure Documentation」や「PyTorch」「Godot Engine」などが挙げられている。以下の表はこの1年間で成長が目覚ましかった10のプロジェクトを、その成長倍率とともに示したものだ。
新たに開始されたプロジェクトには、MLアルゴリズムに関するものが多く、強化学習アルゴリズムのプロトタイピングを支援するフレームワークである「Dopamine」プロジェクト(Google)や、物体検出アルゴリズムを取り扱う「Detectron」プロジェクト(Facebook AI Research)などが挙げられている。
さらにこのレポートには、人気が急上昇しているプログラミング言語のランキングも記されている。ここで共通しているテーマは、MLと相互運用性、DevOpsとなっている。以下は急速に人気を集めているプログラミング言語のランキングだ。
- Kotlin
- HCL(HashiCorp Configuration Language)
- TypeScript
- PowerShell
- Rust
- CMake
- Go
- Python
- Groovy
- SQL PL
レポートにはこの他にも以下のような情報が記されている。
- GitHubプラットフォームのエコシステムは過去12カ月間で30%成長している。
- 分野別に見た場合、継続的インテグレーションやセキュリティ、コード品質、プロジェクト管理の人気が高まっている。
- 貢献者数の伸びが著しい地域としては香港が挙げられており、その後にシンガポールとエジプトが続いている。
- 新規登録者の増加率が最も高いのは、米国と中国であり、その後にインド、そして英国とブラジルなどが続いている。
- 最も貢献者が多かった国は米国であり、その後に中国、インド、英国、ドイツ、カナダ、ブラジルが続いている。2014年に10位だったブラジルは7位に伸びてきている。
- GitHubに登録している開発者は3100万人以上、組織は210万以上にのぼっている。
このOctoverseレポートは、GitHubの数多くの開発者向けツールとともに発表された。これらのツールには、コンテナを接続、共有することでソフトウェア開発ワークフローを構築可能にする「GitHub Actions」(パブリックベータ版)や、セキュリティの精査を自動化する「GitHub Security Advisory API」、Javaや.Netを使用するプロジェクト向けの脆弱性アラート、業務顧客とこのオープンソースコミュニティーのより良いかけ橋となる「GitHub Connect」などが含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。