Amazon Web Services(AWS)が、開発者がインテリジェントなロボットアプリケーションを構築、テスト、および展開するのを支援する新サービスを発表した。AWSによると、新しい「AWS RoboMaker」サービスはオープンソースのロボットミドルウェア「Robot Operating System」(ROS)のクラウド拡張機能を提供しており、機械学習、監視、分析などを行うAWSのサービスへの接続できるようにする。
AWS RoboMakerの狙いは、一元管理型の開発環境をクラウドで開発者に提供することで、開発者がロボットアプリケーションを構築して、オープンソースのシミュレータでテストし、ロボットに直接展開できるようにすることだ。このサービスは組み込みのロボットレジストリ、セキュリティ、フォールトトレランス(耐障害性)などの機能を備えたフリート管理サービスを提供しており、ロボットのライフサイクル全体を通して、OTAアップデートの展開や、ロボットアプリケーションの管理を行えるようにする。
RoboMaker担当ゼネラルマネージャーのRoger Barga氏はプレスリリースで、「顧客と話すとき、われわれは同じパターンが何度も繰り返されることに気づく。彼らは多くの時間を費やしてインフラストラクチャを用意し、ロボット開発サイクルのさまざまな段階でソフトウェアを寄せ集めて、ほかの人が過去にやった作業を繰り返すので、技術革新のための時間が少なくなる」と述べた。
RoboMakerは、「Amazon Kinesis Video Streams」の取り込み、「Amazon Rekognition」の画像および動画分析、「Amazon Lex」の音声認識、「Amazon Polly」の音声生成、「Amazon CloudWatch」のロギングおよび監視などの機能用のクラウドエクステンションも提供する。
「AWS RoboMakerはあらかじめ構築された機能を提供して、プロジェクト全体を通してロボット開発者をサポートする。そして、これまでよりはるかに簡単にロボットを構築して、さまざまな環境でパフォーマンスをシミュレートし、高速にイテレーションして、一層大きな技術革新を促すことを可能にする」(Barga氏)
Amazonによると、米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所とStanley Black & DeckerはRoboMakerの顧客となっており、このシステムを使用して宇宙探査機や工業検査用ドローンを構築しているという。RoboMakerは米国東部(バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州(アイルランド)で利用可能になっており、2019年にはほかのリージョンにも提供を拡大する予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。