Microsoftは米国時間12月4日、自社イベント「Microsoft Connect(); 2018」で、人工知能(AI)関連の発表をいくつか行った。その1つとして、「Windows Machine Learning(Windows ML)」プラットフォームの主要な部分の一部をオープンソースとして公開した。
Microsoftがオープンソースとして公開したのは、「Open Neural Network Exchange(ONNX)」ランタイムだ。ONNXフォーマットでの機械学習モデルの推論エンジンとなる。MicrosoftはGitHubで公開しており、開発者はランタイムをカスタマイズして既存システムに統合したり、他のOS上でコンパイルしてビルドできる。
ONNXエンジンはWindows MLの重要な部分となる。Microsoftはこの機械学習インターフェイスを「Windows 10」に組み込み、開発者がトレーニング済みの機械学習モデルを自分たちのWindowsアプリで利用するのを促そうとしている。Windows ML推論エンジンは、トレーニングしたモデルをWindowsデバイス上でローカルに評価できる。開発者はクラウドでそれらを動かす必要はない。
ONNXフォーマットは、MicrosoftとFacebookが2017年に発表したものだ。開発者が深層学習モデルを「Cognitive Toolkit(CNTK)」や「Caffe2」などの異なるAIフレームワーク間で相互運用できるようにする。CNBCの11月の報道によると、MicrosoftはCNTKのアップデートを継続しているが、Facebookの「PyTorch」やGoogleの「TensorFlow」を重視しようとしているという。
筆者がCNBCの報道についてMicrosoftに聞いたところ、以下のような回答があった。
Microsoftはオープンなエコシステムが、AIをすべての人に普及させることにつながると考えている。開発者とデータサイエンティストのONNXやPythonへの関心は高いと感じており、これらの分野への投資を増やしているが、Microsoft Cognitive Toolkitのサポートも継続する。現時点で、これ以上のことはお話しできない。
Microsoftは同日、「Azure Machine Learning(Azure ML)」サービスの一般提供(GA)を発表した。Azure MLは、開発者やデータサイエンティストが機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイできる技術となる。
AIに関する話題として、Microsoftは「Azure Cognitive Services」APIの戦略についても詳細を明らかにしている。同社は4日、「Language Understanding」APIのコンテナ対応を追加した。現在はプレビューとなっている。また同社は最近、ほかの複数のCognitive Services APIをコンテナで利用可能にし、開発者がこれらのAIの機能をオフライン、そしてエッジデバイスにも導入できるようにしていると発表していた。
提供:Microsoft
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。