日立製作所と日立オートモティブシステムズは12月12日、産業機器や自動車の自動運転をはじめとする、制御システム上のソフトウェアを高速に変更するミドルウェア技術を開発したと発表した。異常発生時においても、ソフトウェアを上書き修正することで、システムを停止せずに動作を継続することが可能になる。
制御システムの自動運転中に、外部センサからの入力情報や入力情報を判断し、次の動作を決めるための計算値をバックアップ領域に保存。制御システムの機能を変更する場合には、バックアップ情報を用いて、入力情報の再生や次の動作を決めるための計算値の上書き修正を高速に実施する。
開発した技術の概要
両社は、10分の1スケールの実験車両で自動運転を模擬し、技術検証を実施した。CPUの故障が発生し、機能の変更が必要な状況を模擬するため、実験車両の試験走行時にソフトウェアの停止命令を発行し、疑似的に制御システムに異常を発生させた。その状態でも、ソフトウェアを修正して制御を開始するまでの時間が従来と比べて約7倍に高速化し、安定した走行制御を継続できることを確認した。
検証に用いた実験車両
今後、日立製作所は実証実験などを行い、同技術のモビリティシステムへの適用を目指す。また、日立オートモティブシステムズでは、同技術を搭載した自動運転ECU(Electronic Control Unit)の製品化を検討する。