IT企業の年頭所感2019(4):5Gのプレサービス開始で商用サービスの機運高まる

ZDNet Japan Staff 2019年01月16日 06時00分

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NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘

 現在、社会のあらゆる場面で「デジタルトランスフォーメーション」を契機としたキャッシュレスや次世代モビリティといったサービスの進化や、それに伴う競争環境の変化が進行しています。モバイル業界では新たなプレーヤーの参入も予定されており、また社会やお客さまからの注目や期待も高まっています。

 2019年を「2020年代のさらなる成長に向けた変革の年」だと考えています。激しく変動する環境の中で、2020年代の持続的成長に向け、3つの目標を掲げました。「お客さま還元の実施とお客さま接点の進化」「顧客基盤をベースとした収益機会創出」「5Gによる成長」を目標にして、自ら変革していく年にしたいと考えています。

 まず1つ目、お客さまに対しては、おトクでシンプルな料金プランによる還元を実行します。3Gフィーチャーフォンからスマートフォンへのマイグレーションも積極的に進めていきます。2つ目として、お客さまとの長いお付き合いの中で蓄積するデータを活用し、一人ひとりに寄り添ったデジタルマーケティングをさらに進めていきます。こうした取り組みにより、「会員」を軸とした顧客基盤を強化します。加盟店や法人企業などのパートナーもさらに拡大します。そして、強化した顧客基盤とパートナーをドコモの持つアセットで結び付け、スマートライフサービス、法人サービスなど「非通信事業」の収益機会を創出します。

 3つ目、5G(第5世代移動体通信システム)については、9月のラグビーワールドカップを皮切りに、いよいよプレサービスを開始します。まずは「高速・大容量」という5Gの特長を生かし、スポーツ観戦やeスポーツイベントなどで新たな体感を一足早くお客さまへ提供していきます。また、2000を超えるパートナーとの協創を通じて、産業、医療、防災といった社会課題の解決や地方創生に貢献できるサービスを創出していきます。こういった取り組みを積極的に社会に発信し、2020年の5G商用サービス開始に向けた機運を高めていきたいと考えています。

KDDI 代表取締役社長 高橋誠

 2018年を振り返りますと、我々を取り巻く環境は大きな変化点を迎えていることを皆さんも強く感じてらっしゃると思います。AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など新たなテクノロジは日々進化を続けています。また、マーケットの価値観もモノ消費からコト消費へと変化する中、あらゆる業界において、また業界の枠を超え、国内外のさまざまなプレーヤーが新たな価値創造、事業創出に奔走し、まさにデジタルトランスフォーメーション(DX)に挑む、そのような変革が急激に起こっているように思います。我々の業界も同様で、通信の枠組みにとどまることなく、新たな事業に取り組んでいかなければいけない、まさにKDDIのデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現すべき時であると強く感じております。

 2018年4月の社長就任以降「お客さまに一番身近に感じてもらえる会社」と「ワクワクを提案し続ける会社」を「目指す姿」として掲げ、「通信とライフデザインの融合」を事業戦略の核とすることにより事業の持続的成長を計り、この「目指す姿」を実現していきたいということを皆さんと共有してまいりました。実行に向けてはさらなる努力が必要と感じており、今後も引き続き皆さんと会話を続けていきたいと考えています。

 一方、事業面では「通信とライフデザインの融合」に向けた新たな取り組みも始まりつつあります。例えば、動画配信サービスと通信料金をセットにした新料金プラン「NETFLIXプラン」の導入、グローバル通信プラットフォームをはじめとする「IoT世界基盤」によるあらたなビジネスモデルへの挑戦、5G、IoT時代のビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」のオープンなど、がこれに当たります。一つひとつこの活動を続けてくことが重要でありスピード感をもって取り組んでいきたいと思います。

 「通信とライフデザインの融合」――。これはまさにKDDIの事業構造の変革であり、新たな5G時代に向けての新しい挑戦ですので、是非とも実現していきたいと強く思います。

ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内謙

 2018年は東証1部へ上場し、当社がより大きく羽ばたくための大きな一歩を踏み出した年でした。お客さま、株主の皆さま、そして多くの関係者の皆さまの支えがあってこそ、この一歩を踏み出せたのだと思います。心からお礼申し上げます。今後も皆さまからのお声に真摯(しんし)に耳を傾け、期待に応えられるように事業を成長させていきます。

 2019年は新しい元号に変わりますが、通信業界は5G元年です。5Gの世界では、これまで以上に大容量データのやりとりが可能となり、AIやIoTなどの事業領域との連携がますます高まっていきます。また、さまざまな産業分野において、これらが高度な社会インフラとなって、新しいテクノロジやビジネスモデルも生まれることになるでしょう。テクノロジによる変革の波は、我々の想像以上に大きく、速く社会に浸透し、これまで当然と思っていたビジネスモデルがあっという間に陳腐化し、あっという間に新しい事業者がその市場を支配してしまうくらいの影響力を持っています。しかし、このような大きなパラダイムシフトが起こる時代には、同じくらい大きなビジネスチャンスが潜在していることも歴史が証明しています。このチャンスを先取りして、多種多様に進化したビジネスニーズに迅速に対応することが、これからの通信業界と、通信業界以外の関連事業分野での競争に生き残るために必要不可欠です。

 既に我々は、AIやIoTなどの新しいテクノロジ事業領域において先手を打っており、2018年から掲げている「成長戦略」と「構造改革」をさらに推し進めています。成長戦略は既存の通信事業の基盤を強化しつつ、最先端のテクノロジとネットワークを組み合わせた新規事業を展開することで、構造改革はAIやRPA(ロボティックプロセスオートメーション)などを活用したコスト削減と効率化を社内で実現し、社員の働き方も進化させていくことです。

 この2つは大きな挑戦です。しかし、これらに着実に取り組んでいくことで、外部の変革によるチャンスを取り込むことができると同時に、自ら変革を引き起こし、チャンスを生み出すことができるようになると思います。そして、通信事業者としての責務をしっかりと果たし、魅力あるサービスと新しい付加価値を生み出し、社会や生活全体がより一層便利に、そして快適になるように貢献していきたいと考えています。これこそが我々の経営理念である「情報革命で人々を幸せに」という言葉を具現化することになると強く信じています。

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