新年とともに、次のテクノロジの流行が生み出されるCESがやってくる。この記事では、2019年のIT業界の主要なテーマと、読者が2019年に嫌というほど耳にすることになるいくつかの話題をリストアップすることを試みたい。
これは、米ZDNetの記者4人が協力して作成した、2019年に繰り返し話題になると予想されるテーマのリストだ。
Appleはピークを過ぎようとしている
Appleがデバイスの販売台数と売上高の公表を取りやめたことは、同社が時代を代表する企業としてのピークを過ぎたことを示している。しかし、だからと言って過剰に騒ぎ立てる必要はない。Appleは今も巨大なビジネスを抱えており、利益の大きさで同社の右に出る企業はほとんどない。そして、Appleのサービスに関するアプローチは利益を得る上で有効な戦略だ。ただし今後、何が同社の成長の柱になるのかは明確になっていない。
Appleがピークを越えたことを受けて、2019年に展開されると思われる流れは次のようなものだ。
- Androidデバイスメーカーは5Gに飛びつくとともに、折り畳み式を含む新たなスマートフォンのデザインを導入する。
- Appleは従来から、このような局面では待ちの戦略を取ることが多く、5G対応デバイスは2020年までリリースされない可能性がある。
- アップグレードサイクルが長くなるため、スマートフォンの売り上げは引き続き下がっていく可能性が高い。
- Appleの販売台数が追いかけられなくなれば、同社のハードウェアに関する話題も少なくなる。
- それでも、Appleは今後も高い利益を上げ続けるだろうし、サービスの利益幅も改善されるかもしれない。ただし残念ながら、ソフトウェアやサービスは商品を買う側の想像力を刺激しない。
- 2019年には、Appleを憂慮する声が出る一方で、サムスンは複数の分野で活躍し、新たなデザインの導入や早い段階での5G対応を進める。
Appleはピークを越えたという言説は、今後たとえ同社が十分な利益を上げ、エンタープライズ市場のシェアを拡大し、デバイスの普及台数を維持したとしても増えていくだろう。
AIやアルゴリズムに対する反感が高まる
今後突然、企業と消費者とその間にあるすべてが、アルゴリズムやAI、機械学習の中身と、それらのシステムがどのように開発されているのかを気にし始めるようになる。Pew Researchの調査を見れば、消費者がすでに、アルゴリズムついて、あるいはテクノロジが人間に関する判断を行うのが正しいことなのかについて、疑問を感じていることが分かる。
一方、企業は、アルゴリズムやAIの無秩序な広がりに直面することになるだろう。問題は、IBMが行っている、AIの透明性を高め、バイアスを検出しようとする試みが、それに見合った成果を挙げられるかだ。
しかしそれらの問題が表面化するまでは、あらゆる企業が、何らかのソフトウェアが入っており、少しでも知性がありそうに見える要素があるものは、何でも「AI」と呼ぼうとするだろう。例えば、あらかじめ答えがプログラムされているチャットボットが「スマートアシスタント」と呼ばれているのもこれに当てはまる。
つまり2019年は、人々がAIに不満を持ち始めるが、AIの精はすでにランプから解き放たれてしまっており、主流の技術になってしまう年になる。