NECは2月4日、東京・港区の本社ビルにイノベーション創出を目的とした顧客向け施設「NEC Future Creation Hub」を8日に開設すると発表した。テクノロジとビジネスの融合を「体験」し、同社と顧客の「対話」を重視した環境をコンセプトに掲げる。
新施設は、本社ビル1階の旧商談スペースと製品などの検証設備スペースの合計約1800平方メートルを改装して設置される。東京・品川の旧ショールームの移転という形だが、「製品や技術を紹介して使っていただくことを目的としたショールームではなく、NECと顧客がさまざまな社会課題などの解決に向けて“共創”し、製品や技術をビジネスや課題解決にどう役立てていくかを一緒に考えていく場所」(執行役員CMOの榎本亮氏)という。
NEC 執行役員CMOの榎本亮氏
利用は完全予約制で、1日当たり7組ほどの顧客企業のIT担当役員など幹部らを招き、年間8000人の利用を見込む。同社では、エバンジェリストやデータサイエンティスト、ビジネスデザイナーなど約1600人の「デジタル人材」が在籍し、顧客と同社の“共創”プロジェクトを担うとしている。
名称にある「Hub(ハブ)」には、同社と顧客のコミュニケーションの接点、世界中のビジネス拠点の接続、オープンイノベーションの融合といった意味を含むといい、榎本氏によれば「インナーブランディング」の目的も含む。「NEC自身が本当に変わらなければならない今、社員にデジタルイノベーションとは何かを直接肌で感じてもらいたいと考えており、本社にこうした環境を作れた意義も大きい」と話している。