KDDIの育成プログラムは、「やる気のある『コア人材』の育成に注力」(近藤氏)することが重要だという。現場で課題を抱えている方をコア人材としてターゲットに捉え、「変数や関数が分からない」という声が上がる場合はレベル分け訓練後に実践へ投入。3人ほどのチームに講師が参加し、業務ヒアリングによるシナリオ作成を経て開発に取り組む5週間1サイクルといった丹念な内容だ。
それでも個人の学習レベルが一定にならないため、スキルマップで可視化し、70%程度の習得を終えればファーストゴール。残り30%はヘルプデスクを通じたアフターフォローで対応した。
習得したスキルを可視化して、学習結果や進捗を管理する
KDDIでは7チームで育成プログラムを実施したところ、唯一1チームが目標未達成だったという。理由を調査したところ、組織側で学習時間を確保していなかったため、「組織側のフォローが欠かせない」(近藤氏)と留意すべき点を強調した。
また、継続的な学習を続けないと開発能力が低下するため、前述したアフターフォローやヘルプデスクの活用、利用用途の確認。継続的なスキルテストの実施など「強制的な仕組みもRPAツールを根付かせるためには必要」(近藤氏)だという。
KDDIは今後、ロボット運用のスケールアップを目指す。「EUCは一定の魅力を持ちつつもガバナンスが緩く、小さなトラブルが多発する。今後は(管理ツールである)UiPath Orchestratorによるロボットの大量実行や管理を推進」(近藤氏)しつつ、次のようにUiPathを評価した。
「エンドユーザーに誠実に向き合う社風が気に入っている。海外製品はエンドユーザーの声が届きにくいが、弊社の課題を伝えると迅速に対応いただいた。レガシーなシステムを抱えた企業にはUiPathが有用である」(近藤氏)