ガートナージャパンは1月29日、デジタルビジネス時代において顧客中心主義で成功している企業に共通する10の習慣を発表した。顧客中心主義は、デジタル変革を進める上で最高情報責任者(CIO)や顧客体験(CX)の推進役が検討すべき領域の1つだが、世界の先進企業と比べて、日本企業は取り組みが遅れているという。
また、マーケティング施策やコンタクトセンターへの問い合わせ、請求書の処理、サプライチェーンを通じた配送など、企業は顧客とのあらゆるやりとりにおいて、一貫した対応方法を提供する必要があるとしている。
企業に共通する10の習慣は次の通り。
- 継続的に顧客の声(VoC)に耳を傾ける:顧客中心型の企業は、顧客からさまざまな形で提供される個人情報を生かし、効果的なCXを推進している。
- 顧客からのフィードバックに確実に対応する:聞き込みやVoC手法によって顧客から得たフィードバックを顧客とのコミュニケーションにつなげられない企業が多い中、顧客中心型の企業は、フィードバックに確実に対応している。
- 顧客のニーズを見越し、先回りして行動する:顧客中心型の企業では、より正確で適切な情報を顧客から収集できるようになっているため、CX担当者は顧客データを使用して状況に応じた効果的なCXを、先手を打って提供できる。
- 顧客との共感を自社のプロセスやポリシーに組み込む:顧客中心型の企業は、顧客との共感を最初からプロセスやポリシーに組み込んでいる。
- 顧客のプライバシーを尊重する:顧客中心型の企業は、顧客データをニーズの予測のために活用すると同時に、顧客のプライバシーを尊重している。
- 顧客の日常生活を通じて価値を提供する:顧客中心型の企業は、顧客の日常に寄り添い、顧客にとっての価値を提供する。
- エンゲージメントを維持するよう従業員のモチベーションを高める:従業員のエンゲージメントが高まれば、企業全体の生産性や従業員定着率の向上、および欠勤の減少などにつながる。顧客中心型の企業は、優れた従業員エンゲージメントを実現し、それをさらに優れた顧客満足へとつなげている。
- ビジョンを構築・実行する:顧客中心型の企業は、説得力のあるビジョンを確立し、改善のための体系的なアプローチを展開することで、CXを向上させている。
- CXの向上に対する責任者を明確にする:CXの計画に責任者がいなければ、どれほど素晴らしい計画であっても実行時に役に立たない。顧客中心型の企業では、CXを担う責任者を置いている。
- 顧客のニーズや状況に適応する:テクノロジはこれまでにない速度でビジネスを破壊している。デジタルビジネスは、リアルタイムで顧客と関わり、彼らの要求や状況に適応することを意味し、成功している企業はそれを実践している。