これらのうち最初の3つは、もともと独立したThe Linux Foundationのプロジェクトだった。これらのプロジェクトの長期的な目標は、通信、クラウド、エンタープライズの各分野の優れたエッジ技術をまとめ上げる、オープンソースのソフトウェアスタックを作ることだという。 LF Edgeは、ハードウェアやBluetoothや5Gなどのエッジコンピューティングと密接に関連する技術を標準化しようとするのではない。
ほとんどの企業は、なるべく早くエッジコンピューティングの標準化を進めるべきであることを理解している。これはわれわれが、従来の組み込みデバイスから、クラウドネイティブなコンピューティングデバイスに移行しつつあるためだ。この移行をうまく進めるには、ベンダーニュートラルなプラットフォーム、オープンなソフトウェアと標準、そしてエッジ技術の用語の共有が必要になる。
EdgeX Foundryの元運営理事会長であり、現在はDell TechnologiesのIoTとエッジコンピューティング担当最高技術責任者(CTO)を務めるJason Shepherd氏は、「LF Edgeは、開発者がIoTとエッジコンピューティングのソリューションを開発する際に、完成までにかかる時間を短縮することができる、包括的で組織化された、基盤的なオープンソースツールを作る」と述べている。
立ち上げ時点での参加組織には、Arm、AT&T、Baidu(百度)、Canonical、Dell EMC、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Huawei(ファーウェイ)、IBM、Intel、Juniper Networks、Qualcomm、Red Hat、サムスン電子といった、エッジコンピューティング分野の有名企業が名を連ねている。ただし、IoT市場で重要な位置を占める企業の1つであるMicrosoftは、この取り組みに参加していない。
Joshipura氏は、「Microsoftは遅れて参加するかもしれない。Microsoftの現在の目標は、同社のデバイスをAzureスタック上で動かすことだ。それらのデバイスのAPIと標準が整ったら、われわれの取り組みに関心を持つかもしれない。Microsoftとはすでに議論を交わしている」と述べている。
この取り組みは成功するのだろうか?筆者はその可能性は十分にあると考えている。このプロジェクトにはエッジ分野における主要企業の大半が参加しており、誰もが標準化の必要性を理解している。オープンソースを基盤としたほかの標準化の取り組みと同じく、LF Edgeも、何年にもわたって技術委員会の会合で議論するのではなく、実際のコードをベースに活動を進める。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。