松岡功の一言もの申す

秒読み段階か? 富士通グループの大掛かりな再編・統合

松岡功

2019-02-14 10:17

 事業構造改革を進める富士通が近々、大掛かりなグループ会社の再編・統合に乗り出すのではないか、との見方が浮上している。果たして、その行方やいかに――。

発端は今年初の主要グループ会社のトップ人事

 「グループ会社については、数が多ければそれだけコストもかかるし、事業や機能として重複するところも出てくる。われわれの強みを生かして業績を最大化していくためには、徹底した効率化を進め、リソースをもっと有効活用する必要がある。ただ数を減らすことが目的ではないが、結果的に減ることもあり得る」

 富士通の塚野英博 代表取締役副社長兼最高財務責任者(CFO)は、同社が先頃開いた2018年度第3四半期(2018年10〜12月)の決算発表会見で、「事業構造改革の一環でグループ会社の再編・統合もあり得るか」との質問に対し、こう答えた。要は「あり得る」とのことである(写真1)。

写真1:決算会見で質問に答える富士通の塚野英博 代表取締役副社長兼CFO
写真1:決算会見で質問に答える富士通の塚野英博 代表取締役副社長兼CFO

 こうした見方が出てきたのは、グループの中でも主要子会社である富士通研究所や富士通マーケティング、富士通エフ・アイ・ピー、富士通ネットワークソリューションズの社長が2019年1月1日付でこぞって交代したからだ。しかも、それぞれの新社長が富士通の役員を兼務するという異例の人事だった。この動きに端を発して、富士通への吸収を含めたグループ会社の再編・統合が現実味を帯びるようになってきた。

 そして、その一端が現実になった。前述の決算発表と同時に、富士通エフ・アイ・ピーのデータセンター事業を4月1日付で富士通に統合することが発表されたからだ。その狙いは、同事業の戦略策定から商品企画、サービス提供、運用などを一元化し、競争力を強化することにあるとしている。

 さらに、もっと大掛かりな動きがあるのではないか。ということで、注目を集めているのが、富士通マーケティングの行方だ。注目を集める最大の理由は、1月1日付で同社の代表取締役社長に就任した北岡俊治氏が、富士通の執行役員専務として営業部門の責任者を務めているからだ。この人事を、富士通マーケティングを富士通に吸収する布石と見る向きも少なくない。

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