NTTデータは2月28日、人工知能(AI)を用いて稟議書の起案を支援する金融機関向けサービスを提供開始すると発表した。NTTグループのAI技術「corevo」を活用する。京都銀行が3月から利用を始める。
作成者が参考となる過去の稟議書を素早く検索、活用することが可能となり、融資審査の業務を効率化する。2017年度に行った京都銀行での実証実験でも、参考となる稟議書を調査する時間が約50%削減可能であることを確認している。
類似文書検索イメージ(出典:NTTデータ)
稟議書の作成では、膨大な量の過去の資料の中から作成者の記憶などをもとに参考となる案件を探し出すため、個人の経験や技量の違いにより、多くの作成時間を要したり、記載内容にバラつきが発生したりすることが課題となっていた。
同サービスでは、大量に保管された稟議書の中から、作成者しか存在を記憶していないような企業の業況や返済根拠の情報を、AI技術を活用して高精度に抽出可能とすることで、参考とすべき類似性の高い案件を表示する。
NTTデータは、corevoを使った実証実験での検証結果をもとに改善を行い、より参考とすべき類似性の高い強い案件抽出に適したAIエンジンを開発した。行内に蓄積された文書データを学習することで、銀行業務や行内独自の用語について類似した語句も含めた検索が可能となるなど、通常の検索システムよりも各行の実業務に最適化された類似案件を抽出できるという。