調査

「PowerShell」がトップ50入り、OSS化で開発者の人気上昇--TIOBE指標

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-03-16 10:00

 Microsoftは、Windows専用のスクリプト言語だった「PowerShell」をオープンソース化した。その最近の取り組みが実を結び、人気プログラミング言語の指標「TIOBE Index」でトップ50に入った。

 同社は、自社OSに対してクラウドを中心としたオープンなアプローチを取り入れており、その一環としてPowerShellを3年前にオープンソース化した。同言語はリリースされてから12年がたつ。

 2016年には、LinuxとmacOSでもPowerShellが使えるようになった。当時、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSatya Nadella氏が「MicrosoftはLinuxが大好き」と宣言したり、前CEOのSteve Ballmer氏によるLinuxは実際にはガンではなかったと容認したりする動きが相次いでおり、これもそれに続く動きだった。

 その後、Microsoftは、Linux版の「SQL Server」や「.NET」のオープンソース化BashのWindows版に取り組んできた。2018年には、PowerShellを「Ubuntu」のSnapパッケージとして、コンテナ化されたソフトウェアパッケージで利用できるようにした。

 こうしたオープンソースへの関与が後押しとなって、開発者の間でPowerShellが人気を集めるようになったようだ。実際、TIOBEの最も人気のあるプログラミング言語で初めて45位に食い込んだ

 PowerShellは現在、Kotlin(39位)、Julia(42位)、Haskell(43位)のすぐ後ろまで迫っている。なお、KotlinはAndroidアプリの開発言語である。

 「つい最近まで、(PowerShellは)Windowsでしか利用できなかった。Microsoftは.NET Coreプラットフォームを用いてPowerShell Coreを開発した。オープンソースで提供され、全ての主要なプラットフォームで動作する。こうした理由から、PowerShellが再び人気を集めているのかもしれない」とTIOBEのアナリストは分析する。

 Microsoftは、PowerShell Coreをリリースするのに伴い、PowerShellをオープンソース化した。PowerShell Coreは、Windows専用の.NET Frameworkではなく、.NET Core上に構築されている。

 PowerShellの順位上昇は、3月のTIOBE Indexにおける唯一の注目すべき変化である。トップ10の顔ぶれに入れ替わりはなく、Oracleが保有するJavaや、C、Pythonが上位を占めている。トップ10にはほかに、C++、Visual Basic .NET、C#、JavaScript、PHP、SQL、Objective-Cがランクインしている。

 TIOBEのランキングは、Google、Bing、Yahoo、Wikipedia、Amazon、YouTubeなどでの検索に基づいている。

 JavaはTIOBEのリストでは首位を維持しているが、PYPL PopularitY of Programming Language Indexでは、Pythonに続く2位に位置している。PYPLのランキングは、Googleでのプログラミング言語のチュートリアルに対する検索結果に基づくものだ。

2019年3月のTIOBE Indexトップ20
2019年3月のTIOBE Indexトップ20

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    生成 AI の真価を引き出すアプリケーション戦略--ユースケースから導くアプローチ

  2. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  3. セキュリティ

    マンガで解説、「WAF」活用が脆弱性への応急処置に効果的である理由とは?

  4. セキュリティ

    クラウドネイティブ開発の要”API”--調査に見る「懸念されるリスク」と「セキュリティ対応策」

  5. セキュリティ

    5分で学ぶCIEMの基礎--なぜ今CIEM(クラウドインフラストラクチャ権限管理)が必要なのか?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]