営業との認識にズレ--“アウトソーサー”だからこそ言えるMAツール活用の勘所 - (page 2)

阿久津良和

2019-03-22 07:15

 MAツールは多様な経路から入るリードの一元管理や、各種チャネルを横断したマーケティングシナリオで顧客ロイヤリティの醸成、ナーチャリングが完了した後は、営業組織などにパスアップするなど関わる部署が多様である。だからこそ同社は、「全体を俯瞰(ふかん)して整理することが成功のポイント」(田代氏)だと述べた。

 SCSKサービスウェアはこの課題に対して、顧客や企業担当者を中心に置き、取りまくチャネルを網羅することでコミュニケーション全体を直感的に理解できる「BCF(ビジネスコミュニケーションフロー診断)」を用意している。前述のBCF for MAはBCFのMA特化版だ。

 具体的には、各部署から捉えたリスク要因を洗い出し、各部署の任務とMAを結び付けることで効果的なスキームを策定する「ステークホルダーインタビュー」、顧客属性をつまびらかにし、顧客の気持ちを知ることで効果的なマーケティングシナリオを作成する「顧客アンケート」、顧客行動に関するデータを取得し、アナログ行動分析と合わせて効果的なパターンを検討する「アクセスログ解析」などから成り立つ。

 この他にも、ターゲットのペルソナとカスタマージャーニーを浮き彫りにしたコミュニケーションフローの作成や、MA適合度チェック&リスクアセスメント、ToDoリストも提供する。

 講演ではMA運用における多様な注意点が語られたが、興味深いのが「リストの質・営業との連携」だった。

 「営業マンは『すぐ受注できるリード』『大企業役員レベルのリード』『既存顧客の別部門リード』が大好物。マーケティング担当者から見れば『営業がわがまま』と感じるだろう。だが、営業側に立ってみれば、認識のズレがあることに気付く」(山口氏)

 この他にも営業リストの信憑性の乏しさや同リストに対するフィードバックが皆無といった各種問題に対して、「リストの使い方ではなく、MAの流れを理解してもらう。信憑性に関しては常に営業の意見を聞いてブラッシュアップを継続する。そしてフィードバックは定期的な会話の場面を設けてすり合わせすることが大事」(山口氏)と聴講者にアドバイスを送った。

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