VMwareは米国時間3月18日の週、「VMware Cloud」に対する一連の機能強化を発表した。同社の最高技術責任者(CTO)Chris Wolf氏によると、これは同社の顧客とパートナー企業のエコシステムによって推し進められた成果だという。
同社は、顧客およびパートナー企業のデジタル変革に向けた土台を築くというビジョンの深化を目標に据え、「VMware Cloud Foundation」や「VMware vCloud Director」「CloudHealth by VMware」に対するアップデートと、「VMware Cloud on AWS」のカナダやパリ、シンガポールの新リージョンによる、「Cloud Foundation」ベースのサービスに対するアクセス強化を含む同社クラウドの機能向上にまい進している。
Wolf氏は米ZDNetに対して「われわれは膨大なイノベーションを顧客とともに作り上げていくことに全力を傾けている」と述べ、「私のいるオフィスでは、顧客とわれわれの顧客リーダーらがともに多くの時間を費やし、『われわれは顧客のニーズに見合った適切なテクノロジを市場にもたらしているか?タイミングは適切か?解決すべきギャップはどこにあるのか?』といったことの理解に努めている。そしてこれら(の拡張)は、直接的な回答となっている」と続けた。
VMwareの発表によると、「VMware Cloud Foundation 3.7」は同社の2020会計年度第1四半期に「Dell EMC VxRail」上で提供を開始する予定だという。
Wolf氏は「Cloud Foundation全般について考えてもらえばよいのだが、アプリケーションのための確固たるインフラというものは、すべてのIT組織が解決すべき問題の1つと言えるはずだ」と説明した。
「このため、もしも彼らのために、モジュール化され、すぐに使えるインフラ用の部品を用意できるのであれば、彼らは業務的な観点に立ち、インフラ構築に割く時間を減らし、業務の差別化を推し進めるための有用なソリューションの構築により多くの時間を使えるようになるはずだ」(Wolf氏)
なお、新たなCloud Foundation 3.7は、「VMware Horizon 7」仮想デスクトップインフラ(VDI)の自動配備を完全なかたちでサポートしている。
VMware Cloud on AWSのリーチも拡大され、AWSのカナダ(中部)とEU(パリ)、アジアパシフィック(シンガポール)の各リージョンでも一般提供が開始されている。
VMwareとAWSは、2019年末までに世界にまたがるAWSの主要リージョンのすべてでこのサービスを展開しようとしている。
VMwareが8月に買収によってポートフォリオに書き加えたCloudHealthもアップデートされ、AWSや「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」(GCP)をまたがるコスト管理やアナリティクスを中心とした新機能が追加された。