中国国内からTwitterにアクセスするにはVPNなどを活用する必要がある。それがないとアクセスできないためだ。中国が許可するVPNサービスを使えば合法的にアクセスできるとしている。ところが、最近になってTwitterへの反政府的な書き込みで逮捕される案件が続出している。
石家庄公安局は3月22日、中国治安管理処罰法26条と82条に基づき、同市に在住する40代男性の孫氏に対して、7日間の拘置処分にするという通知書の写真がTwitterに投稿された。違法の根拠は、政治に関する不当な言論を、過去にTwitterでリツイートしたというもの。
同法26条というのは、暴力や社会秩序を乱した場合に5~10日の拘置処分に、ひどい場合は10~15日の拘置に加え1000元以下の罰金処分とするものだ。また同法82条というのは、治安を乱す者に対しては公安機関が調査に呼び出せるというものだ。孫氏のアカウントは現在なくなっている。
中文メディアでのRFAが12月に掲載した記事によると、当局がTwitterユーザーに対して、(孫氏と同様に)書き込みやアカウントを削除させるケースが2018年9月末以降、急増しているという。中国国家行政学院の教授である王氏もその対象だった。警察は王氏に対して「王氏は外国の反政府勢力に協力する売国行為をしている」と指摘し、そうしたツイートをしないよう要求した。王氏によれば「数百人単位に対しアカウントの削除の要求を出している」としている。
13万人のフォロワーを抱える記者の文涛氏は10月27日午後、自身のTwitterアカウントで「3人の警察が派出所からやってきて、Twitterアカウントの削除と今後ツイートをしないという保証を強制された」と投稿した。
The New York Timesも「Twitter Users in China Face Detention and Threats in New Beijing Crackdown」という記事でこの問題を扱った。8000人のフォロワーがいるHuang氏は、警察から8時間の取り調べを受け、罪を認めた上でTwitterアカウントを削除し、利用しないことを迫られたとしている。福建省厦門のPan氏は、2018年11月に政治風刺画を描く漫画家「変態辣椒(ラージャオ)」の中国人権風刺絵をリツイートしたため、警察が突然職場にやってきて、20時間に及ぶ取り調べを受けたとしている。Pan氏によれば、別の10人もTwitterアカウントを削除された上で、毎日、中国政府のプロパガンダビデオを見せられたという。
海外の中国語サイトでも、警察当局によるTwitterユーザーへの圧力行為が幾つか紹介されている。10月には広東省の弁護士の卜(ぼく)氏が派出所でTwitterでの書き込みを見せるよう要求され、その幾つかのツイートを削除するよう迫った。また派出所で公安に動画を撮影され、身分証を取られたという。
警察当局のTwitterユーザーへの要求は中国人に限られている。気になる外国人の違法処分の場合だが、同法第10条によると、治安を乱す外国人は期限を設定して出国させるとしている。