三井不動産ら、ビル管理向けセキュリティ監視システムを導入検証

大場みのり (編集部)

2019-03-26 18:11

 三井不動産は3月26日、ビルの中央監視といったビル管理システム向けのサイバーセキュリティ監視システムを首都圏の複合施設1棟に試験導入すると発表した。サイバー攻撃対策や運用手法策定に向けた検証作業の実施を目的とする。

 今回のシステム導入と検証は、産業セキュリティを専門とするSCADAfence、セキュリティ強化のノウハウを持つ日立ソリューションズ、国内セキュリティのコンサルティングを行う三井物産セキュアディレクションと連携して行う。SCADAfenceは、三井不動産のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドを通じて出資しているイスラエルの企業である。

 三井不動産によると、近年、ビル管理の領域においてIoT化が進んでいるが、あらゆるものがインターネットにつながることで、外部からのハッキングなど、サイバー攻撃のリスクが高まっている。そこで同社は、サイバーセキュリティ監視システムを導入し、サイバー攻撃への監視、発見された脆弱性の対策、そしてビル管理の現場における対応、運用手法の確立に向けた検証を実地で進めていくとしている。

 このシステムにはSCADAfenceのプロトコル解析技術が採用されており、それによって通常の解析では検知することが困難な“平時の通信を装ったサイバー攻撃”の発見が可能になるという。また、ビル管理システムによって起こる事故を未然に防ぐため、同システムの正確な情報取得と通信状況、構成変更の監視も行う。

 三井不動産は、今回の検証作業によって得られるノウハウや知見を生かして、ビル管理の品質向上や、オフィス設計、オフィスサービスなどに活用していくとしている。

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