Microsoftは米国時間4月4日、「Windows Insider Program」の「Release Preview」リングに向けて「Windows 10 19H1」(バージョン1903)をリリースしたうえで、その1カ月後の5月をめどにメインストリームへのロールアウトを開始すると発表した。このことは今までであれば、その次の機能アップデート、すなわち「19H2」のプレビュービルドがInsiderテスター向けにロールアウトされ始めるということをも意味していた。しかし、テストにまつわる現実のストーリーはより複雑なものになっているようだ。
Microsoftが5日の同社ブログ投稿で明らかにしたところによると、「Windows」チームは「Skip Ahead」リングと「Fast」リングのテスターを1つのグループにまとめ、19H2ではなく「20H1」のテストに振り向けようと計画しているという。同社は、20H1の一部機能について、より長期にわたるテスト準備が必要だと公に発表しており、Skip Aheadリングでのテストを既に開始している。しかし、筆者の複数の情報筋は、本当の理由は「Microsoft Azure」とWindowsのエンジニアリングチームのスケジュールを調整する必要があったためだと述べている。
これは、19H2がリリースされないという意味なのだろうか?そんなことはない。19H2がリリースされるのは間違いない。
Microsoftが「Windows 10」の機能アップデートを完成させた際、通常であればFastリングにおいて次期機能アップデート(今回のケースでは19H2)のテストが開始される。しかし5日の発表を見る限り、Fastリングは19H2をスキップし、20H1のテストに取りかかるようだ。
通常とは異なる今回の計画について、Twitter上で質問されたWindows Insider Program Teamの上級プログラムマネージャーBrandon LeBlanc氏は、「われわれは近々、19H2のリリース計画について発表するつもりだ」と答えている。
筆者は、Windows 10の「H2」という機能アップデートが、新機能(あるいはオプションとしての新機能)を若干追加した累積アップデートのようなモデルに移行するのではないかと推測している。言い換えれば、2019年の秋/冬にリリースされる予定の19H2はマイナーなアップデートになるということだ。
この推測が正しければ、多くの大企業や教育機関にとって喜ばしい状況となるはずだ。というのもMicrosoftは2018年9月に、Windows 10のEnterpriseエディションおよびEducationエディションのH2リリースがH1リリースのような18カ月間ではなく、30カ月間サポートされるようになると発表しているためだ。これにより大企業や教育機関は、Microsoftが提供する新たな機能アップデートを毎回適用しなくても済むようになる(つまり、30カ月間のサポートポリシーがあるおかげで、新規リリースに移行するまでに1年半の猶予期間が得られる)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。