バーチャレクス・コンサルティングは、アイティクラウドと共同で実施した新ワード「カスタマーサクセス」に関する調査の結果を発表した。これによると、カスタマーサクセスが何かを理解している人の割合は3%にとどまるという結果になった。
カスタマーサクセスに関する認知状況
「カスタマーサクセス」は、従来の顧客からの問い合わせに応じて問題解決を支援する「カスタマーサービス」とは違い、能動的に提供側がサービスの改善を進め、顧客ロイヤルティの向上を図っていく考え方を指す。サブスクリプションビジネスの普及が進む中で注目されている。
今回の調査は、全国の20~65歳の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)2万6296人を対象にインターネットアンケートで実施された。調査実施期間は3月20~3月21日。
「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?」という質問に対し、「聞いたことがある」と回答した人は13.7%の3603人。これ対して「聞いたことがない」と答えた人は86.3%の2万2693人に上った。また、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがある」と回答した人の中で「カスタマーサクセスが何かを良く知っている」と答えた人はわずか793人、「少し知っている」と答えた人は2170人だった。
また、カスタマーサクセスを「よく知っている」「少し知っている」人のうち、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいる部署、または担当者がある/いる」と答えた人は25.5%、「今後取り組む予定」と答えた人は16.5%だった。
回答者の属性別で見ると、外資系企業に勤務する人のうち、カスタマ―サクセスを「聞いたことがある」人は51%、「聞いたことがない」人は49%とほぼ半数ずつだった。一方、国内系企業に勤務する人の認知度は「聞いたことがある」人はわずか15%、「聞いたことがない」人は85%と、認知に大きな差が見られた。
勤務先のカスタマーサクセス取り組み状況では、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と答えた人は、外資系企業に勤務する人の48%、日系企業に勤務する人の23%、また「取り組んでいる部署、または担当者はおらず、今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた人は外資系企業に勤務する人の3%、日系企業に勤務する人の22%となった。
従業員規模別で見ると、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と回答した割合が44%と一番高かった人の勤務先は1万人以上、一番低かったのは8%で10人未満の従業員数企業だった。
バーチャレクス・コンサルティングでは、LinkedInが2018年初めに発表した「2018年最も将来性のある仕事ベスト20」、そして2019年の初めに発表した「2019年最も将来性のある仕事ベスト15」のいずれにも、「カスタマーサクセスマネージャー」職がランクインしていることなどを挙げ、同職が人気職種になっているとしている。そのうえで、今後は、職種である前に、カスタマーサクセスの概念を正しく整理することが大切だとしている。