Dell Technologiesは、「Dell Technologies World 2019」でエッジ、コア、クラウドでシームレスに連動するというメッセージを打ち出した。そこでのフォーカスはハイブリッドクラウドとエッジだ。ハイブリッドクラウドを初日に、エッジは2日目の基調講演で説明しており、ここではエッジの戦略と製品発表をまとめたい。
同社はエッジ、コア、クラウドでシームレスに連動する世界を次世代のITと考えている。「エッジ、コア、クラウドが同期して強調しながらエンドツーエンドのIT体験を提供する。モダンなデータセンターがデジタルトランスフォーメーションの原動力になる」と同社の製品&オペレーションズ担当バイスチェアマンを務めるJeff Clarke氏。「あらゆる業界がデジタルトランスフォーメーションを経験することになり、モダンなインフラを構築する必要がある」と続けた。
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中でもエッジは、Dell Technologiesが考える次世代のITにおいて新しい技術分野となる。背景にあるのはデータの爆発だ。Clarke氏は、「データ活用により顧客へのサービスを改善し、ビジネスの深い洞察を得られ、より良い意思決定ができる。さらにこれまで解決できなかった問題の解決にもつながる。そのためには、ITをモダン化する必要がある」と話す。
なお、エッジに関して以下の他のポイントも挙げている。
- 最新のパワフルなインフラ
- マルチクラウドのためのハイブリッドクラウド戦略
- ソフトウェア定義
- 職場のモダン化
エッジが重要な理由は、IoTの進展と5G(第5世代移動体通信システム)だ。Clarke氏によると、全データ量の25%がリアルタイムの性質を持ち、エッジで生成される、という。工場、スマートシティ、5Gで誕生する新しいアプリなどにより、エッジコンピューティング市場は2022年まで30%成長が予想されていると続ける。
具体的な製品戦略を説明したDell Technologiesのプレジデント兼Dell EMC最高技術責任者(CTO)、John Roese氏は、Dell Techonologiesのエッジコンピュート戦略を「エッジでリアルタイムにデータを保存、分析、アクティベートできるインフラ」とまとめる。
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一方で、「エッジの実装は簡単ではない」とRoese氏。(1)必要なところにITを配備する、(2)システムが自律的でハードニングされているであることーーの2つがポイントになるとした。Dell Technologiesでは、既にモジュラーデータセンターソリューションを世界各地で実装しているといい、Roese氏は「電源、冷却、自動管理、そして複雑な実装をどこからでも処理できるという機能を持つ」と説明した。
会場では、IoTのユースケースの1つとなるZnuity(Volvo CarsとAutolivとのジョイントベンチャー)の先進運転支援システム(ADAS)の事例を紹介していた。VxRailとVMwareによりデータのラベリングのためのVDIを構成し、データの処理はPowerEdgeを、データを保存するコアのデータセンターのデータレークはIsilonを採用するなど、さまざまなDell Techonologiesの技術を作ってエンドツーエンドのシステムを構築している。
デモとして、会期中にトレーニングした自動運転車を走らせていた。自動運転車はカメラに加え、レーザー、超音波、GPSなどのセンサーを搭載、これらが収集したデータをリアルタイムで取り込み、分析する。ここではモジュラー型データセンターで、1GPUシステムでトレーニングした。送ったデータ量は約1.2GB、5時間のトレーニングを行うことで、信号などの交通ルールやパターンに従い、障害物を避けて通るという点でかなりの段階に達していた。
実世界では一台のテスト用自動運転車が生成するデータの量は1日当たり30~60TB、通常のADASでは年間50~100ペタバイトのローデータを生成するという。「データを迅速にオフロードする必要がある」と説明員はエッジの重要性を強調した。
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会期中、機械学習向けに4/8/10のNvidia Tesla V100 GPUを搭載可能な2ソケット・4Uサーバー「Dell EMC DSS 8440」、ミッドレンジのストレージで最大5:1のデータ削減、NVMe対応(OSアップグレード時)などの特徴をもつ「Dell EMC Unity XT」などを発表した。
ハイパーコンバージドでは、VxFlex OSを中核に据えた新しい製品ファミリー「VxFlex」を導入した。ラック型ではこれまでの「VxRack FLEX」が「VxFlex integrated rack」に名称変更し、アプライアンス、ノードとしても提供する。
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