同社は、Cloud Private for Dataを中核としたデータ&AIプラットフォームのさらなる展開を推進する。すでに利用している顧客からは「統合UI(ユーザーインターフェース)によって部門同士の情報交換がスムーズになったとの声をいただいた」(黒川氏)という。

Cloud Private for Dataの概要
データ&AI人材スキル育成支援プログラムは(1)Data and AIガレージ、(2)データ・サイエンス・エリート協業、(3)AI Acceleratorプログラム――という3つを提供する。
(1)のData and AIガレージは、既存のコグニティブ・テクノロジー・アカデミーやAI認知プログラムに加えて、AIと業務の価値を実現するイメージや方向性を共有。(2)のデータ・サイエンス・エリート協業は、海外のAI専門家チームのスキルやノウハウを活用してAIの全社展開を支援。(3)のAI Acceleratorプログラムは、日本国内のパートナー企業100社からAIを得意とする35社と、IBMの最高データ責任者(Chief Data Officer:CDO)チームのノウハウを活用する。
説明会ではData and AIの技術的な方向性として既存製品のAI機能なども改めて説明した(「IBM Db2」のデータ仮想化技術「Data Virtualization」やデータ探索ツール「Db2 Augmented Data Explorer」を取り上げたが、以前の記事で取り上げているため、ここでは割愛)。

日本IBM IBMクラウド事業本部 IBM Data and AI テクニカルセールス部長 田中孝氏
チャットボットなどコンピューターと自然言語で対話できるアプリケーションを開発するためのサービス「Watson Assistant」で利用できるAPIも刷新した。
従来はバックエンドとの連携や他のWatson APIを利用するにはアプリケーション開発側の対応が必要だったが、新APIでは他のWatsonサービスやバックエンドとの連携を可能にした。フロントエンドとのチャネルも「Facebookメッセンジャー」や「Slack」など代表的なものは標準で対応する。IBMクラウド事業本部 IBM Data and AI テクニカルセールス部長 田中孝氏は「開発時のハードルを下げるため、アーキテクチャー変更で対応した」と説明した。
どちらも現時点ではベータ版だが、構造化データを分析することで機械学習モデルを自動生成する「AutoAI」をWatson Studioに、非構造化データを分析することで深層学習モデルを自動生成する「NeuNetS」をWatson OpenScaleに実装済み。いずれの機能もノンコーディング&GUI操作でAIモデルを自動生成し、シームレスに実行環境へデプロイすることを目的としている。