デルとEMCジャパンは6月4日、機械学習専用のサーバー新製品「Dell EMC DSS 8440」を発売した。「NVIDIA Tesla V100」を最大10基搭載可能で、最小構成による税別定価は1940万7219円。販売初年度に100台の出荷を見込んでいる。
新製品は、5月上旬に米国ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2019」で発表されたもの。NVIDIA Tesla V100のGPUを最大10基(最小構成では4基。8基および10基に拡張可能)搭載でき、画像認識や自然言語処理、気候モデルなどでの機械学習処理に最適化している。また、同社などが出資する英Graphcoreで開発が進められている深層学習に特化した「IPU(Intelligent Processing Unit)」も最大8基搭載できる設計となっており、2019年後半以降に個別対応でIPU搭載モデルも提供する予定だという。
「Dell EMC DSS 8440」の概要
同製品は、2ソケット4Uサイズで、最大10本のNVMe SSDおよびSAS/SATA SSDを搭載可能なほか、InfiniBandをサポートし、8本のPCIeを16スロット利用できる。空冷方式を採用しており、室温35度での動作をサポートしている。
記者会見した執行役員 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部長の上原宏氏は、新製品の位置付けについて、汎用のx86サーバー「PowerEdge」とは異なるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などの特殊用途向けと説明する。
デルは、2015年に大規模データセンターでのHPC案件を中心に個別対応などを行う「データセンタースケーラブルソリューション(DSS)」部門を設置している。同本部システムエンジニアの谷本剛氏によれば、従来のビジネスは海外が中心で、国内での案件数は少なかったが、人工知能(AI)に関連した機械学習や深層学習などのワークロード需要が高まりつつあることから、「DSS 8440」の国内提供に踏み切ったという。
販売展開について上原氏は、DSS 8440もPowerEdgeシリーズと同様にデルやEMCジャパンのパートナー経由でも提供するが、ユーザーの検討時から両社がパートナーと連携して導入支援に当たるとしている。