富士通は7月8日、人工知能（AI）技術を活用した自動記事要約システムの無償トライアルサイトを企業向けに公開した。トライアルサイトに登録し、要約したい文章をフォームに入力するだけで、記事の要約が自動で生成される。期間はトライアルサイトの利用開始から90日間。2019年度下期にはソリューションの提供を予定している。
自動記事要約システムは、記事全文から重要度の高い複数の文章を抽出し、文体などを変えずに180字以内の要約記事を作成する重要文抽出機能と、約8万件の記事全文と要約記事のデータを学習させたAIが表現も言い換えることで、54文字以内の短文を作成する生成型要約機能で構成される。
重要文抽出では、文章の冒頭から機械的に抜粋して要約文章を作成する従来の自動要約手法に比べ、全文を対象に人手と同等の要約文章を作成する。生成型要約は、ディープラーニング技術を活用し、単語の削除、語順の変更、言い換えを学習したモデルを用いることで、単語や接続詞などを文章がつながるように組み合わせて要約文を作成する。新聞などニュース原稿の要約記事、SNS投稿用の短文、公共交通機関の電光掲示版やデジタルサイネージへ配信するニュースなどの作成に活用可能としている。
生成型要約機能による要約イメージ（出典：富士通）
また、新聞や雑誌などに掲載する顔写真の背景に特定の色を塗る作業を自動化することも可能。あらかじめ顔写真のデータを学習させたAIが、顔と背景の境を判別し、顔以外の不要な背景を着色する。トライアルサイトに顔写真をアップロードするだけで、背景を着色した写真が作成される。
