IDC Japanは7月1日、国内企業向けネットワーク機器市場の2018年実績と予測を発表した。同市場は企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器から構成されたもの。
これによると、2018年の同市場は、前年比成長率5.9%と2年連続でプラス成長を達成し、市場規模(支出額ベース)は2374億1000万円となった。
同市場の2018〜2023年の年平均成長率(CAGR)は、アクセスポイントの出荷台数が4.6%、支出額ベースで2.1%と予測している。一方、企業向けイーサネットスイッチや企業向けルーター市場は、今後成熟化が進行するため、企業向けネットワーク機器市場全体の2018〜2023年のCAGRは、マイナス3.5%と予測している。

国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測:2017〜2023年(出典:IDC Japan)
企業向け無線LAN機器市場は2018年も大きく成長した。アクセスポイントの出荷台数は81万台に達し、無線LANコントローラーを含めた市場規模は前年から24.8%増加した。IDCでは企業におけるモバイルデバイスの活用がいっそう進んでいることや「働き方改革」の掛け声の下に進むオフィス環境や働く場所の変化に応じた無線LANの導入拡大が、ワイヤレスファーストを後押しし、今回の結果につながったとしている。
企業向けイーサネットスイッチ市場も、2018年は前年比成長率5.3%と好調だった。データセンター向けも企業内LAN向けもいずれも伸びており、企業内LAN向けの前年比成長率は4.8%と成熟市場としては高い成長率となった。この背景には、国内経済状況の安定に加えて、無線LAN導入拡大に伴う有線LAN環境の見直し気運の高まりやネットワーク自動化、可視化、セキュリティ強化に伴うLAN環境の更新機会の増加があるとしている。