NECは7月10日、新千歳空港・成田国際空港・羽田空港・中部国際空港・関西国際空港・福岡空港の国内6空港の税関検査場で利用される税関検査場電子申告ゲートを受注したと発表した。
同ゲートは、NECの顔認証技術を活用しており、既に成田国際空港第3旅客ターミナルで2019年4月15日から運用が始まっている。同ターミナルでは現在、電子申告ゲートを用いた運用は日本人旅客のみを対象としているが、今後対象を外国人旅客にも拡大する見込み。財務省税関は、年間入国旅客数の約9割を占める国内6空港へと新たに対象を広げ、2020年3月以降に運用を開始する予定だ。
税関検査場電子申告ゲートのイメージ(出典:NEC)
NECの顔認証技術「NeoFace」は、AI(人工知能)エンジンを搭載しているもので、税関検査場に設置された電子申告端末で撮影した顔画像と、出口ゲートに設置された顔認証カメラで撮影した顔を照合して本人確認を行う。出口ゲートに近づく人の顔を連続撮影しているため、カメラの位置を意識することなく歩きながらの認証が可能なウォークスルー顔認証が可能。なお、電子申告ゲートで撮影した顔画像は、本人確認のための照合にのみ用いられ、ゲート通過後に削除される。
また入国旅客の税関検査における携帯品の申告・通関手続きに税関申告アプリや電子申告端末を活用することにより、効率的かつ容易に携帯品の電子申告ができる。税関申告アプリを用いて携帯品の内容などを入力し、アプリ上でQRコードを取得、その後、税関検査場に設置された電子申告端末でパスポートと、アプリに表示されたQRコードを読み取ることで、簡単に携帯品の申告手続きができる。また、電子申告端末の操作中に内蔵カメラで本人を撮影し、パスポートのICチップに搭載した顔画像と照合して本人確認も行える。