エクイニクス、東京で11カ所目のデータセンターを開設--湾岸地区に

渡邉利和 2019年07月23日 14時37分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 エクイニクス・ジャパンは7月22日、東京都心部に新たなデータセンター「TY11」を開設したと発表した。同社がグローバルに展開する「IBX(International Business Exchange)」データセンターで、日本は最大規模となる。段階的に拡張する予定で、第1フェーズでは950ラック、約3700平方メートルのコロケーションスペースを提供、最終フェーズの完了時には3500ラック以上、約1万4300平方メートルのコロケーションスペースとなる計画。なお、第1フェーズでの投資額は7000万ドル(約79億円)という。

 概要を説明した代表取締役兼北アジア統括の古田敬氏は、まず同社の社名の由来を「Equality(平等なアクセス)」「Neutrality(中立性)」「Internet(インターネット)」「eXchange(エクスチェンジ)」と、自社のビジネスを「Inter Connection(相互接続)とData Centerの会社」と位置付けた。

エクイニクス・ジャパン 代表取締役兼北アジア統括の古田敬氏
エクイニクス・ジャパン 代表取締役兼北アジア統括の古田敬氏

 現在、同社がグローバルで展開するIBXデータセンターは世界5大陸、52都市で200カ所以上だといい、中でも東京は「データセンター市場としてみた場合、単独の都市として東京が世界最大」(古田氏)であることから、積極的な投資を継続しているという。古田氏はデータセンター関連のビジネスで20年のキャリアがあるといい、その20年の経験に照らしても、現在の東京圏でのデータセンター需要の盛り上がりに関して「この1年ぐらいの波というのは、ちょっと今までにないほどだ」と語った。

 TY11は、既設の倉庫の建物を活かして内部の改修で作られている。湾岸エリアの有明地区にあるが、周囲は大規模なマンションなどの建築ラッシュ状態であり、完成後の運用フェーズでは「住宅街の一角」といった状況になることが想定され、壁面緑化を行うなど、周辺環境への配慮がなされている。

 基本的な仕様は、世界の全てのデータセンターを可能な限り同一の仕様でそろえるという同社の基本方針もあり、突出したものではなく、都市型データセンターとしては標準的なものになる。だが、「“ちりも積もれば”的な効率化の積み上げ」(古田氏)の結果として、建物全体の床面積に対するコロケーションスペースの比率が高く、スペース利用効率に優れているという。

 コロケーションスペースは、フリーアクセス床(床下高80センチ)で、冷気を床下から吹き上げ、コールドアイルのキャッピングを行い、暖気は屋内に解放して壁面の冷却器に流す構造になる。ラック当たりの最大電力量は3~4kVAを想定する。なお、非常用電源設備として通常国内で見られるガスタービンではなくディーゼルエンジンを採用し、コストメリットを得られるという。ガスタービンの方が設置スペースは小さく済むが、運転時の燃料効率はディーゼルの方が高い上、起動から発電を開始するまでの時間もディーゼルの方が短いという。

 ネットワーク面では、80以上のネットワークサービスプロバイダーと直接接続する同社のデータセンター「TY2」に加え、Amazon Web Service(AWS)やGoogle Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azureといったクラウド事業者、Teradataを含む国内285以上のクラウドおよびITサービスプロバイダーと直接接続を行っている同「TY4」ともダイレクトに接続される。これにより、既に満床に近い状態になっているTY2やTY4へのニーズをTY11で肩代わりすることも想定している。

 同日の説明会では、湾岸エリアで津波が懸念されるとの指摘に対し、「津波はさまざまなリスクの1つに過ぎず、他の要素やビジネス的なメリットとのバランスで選択した結果」(古田氏)としている。同氏によれば、日本では海底ケーブルの揚陸地点とのバランスなどもあって、歴史的に千代田区大手町を中心としてネットワークの整備が行われてきた経緯がある。同社の既設のデータセンターでもTY2やTY4を中心にネットワークが集約されている。

 このため、都心に隣接していることや、湾岸エリアの中でも比較的標高が確保されていることによる津波に対する安全性を考えた結果、離れた山間部にデータセンターを開設することは、メリット/デメリットのバランス上でも、今回の場合は適切ではないとの判断だという。

同社の東京圏のデータセンター群。自社整備のTY1~TY5に加え、Bit-Isle買収によってTY6~TY10が追加されている

同社の東京圏のデータセンター群。自社整備のTY1~TY5に加え、Bit-Isle買収によってTY6~TY10が追加されている

Scroll Right Scroll Left
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SpecialPR

連載

CIO
教育IT“本格始動”
月刊 Windows 10移行の心・技・体
ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
セキュリティインシデント対応の現場
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft Inspire
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]