システムインテグレーターのTISは7月25日、会議やインタビューの発言を音声や文字で自動記録するサービス「Record Meeting」に新機能を加え、正式版として提供を開始すると発表した。
システム基盤は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のサーバーレスコンピューティングを活用したクラウドネイティブアーキテクチャーで構成されている。
Record Meetingのスマートスピーカーと小型画面
Record Meetingの特徴は、以下の4つだ。
- 会議中にテキストを編集でき、変更内容は即座に反映される。誤認識が発生した際に修正したり、記録に残したくないものを削除したりできる
- TISは2019年5月から、Record Meetingのベータ版を60社以上に提供。ベータ版へのフィードバックを受けて同社は、翻訳機能を追加した。現時点で英語、中国語、韓国語に対応する
- テキスト化のほか、音声再生も可能。発言のトーンを知りたい時や誤認識されたものを確認したい時に役立つ。発話ごとに音声再生することもできる
- 保存形式はTXT、CSV、JSON、保存先はクリップボード、OneDrive、Google Driveから選択可能。保存したテキストは、話者、時間、テキストで構成されている
開始方法は、Wi-Fi接続したスマートスピーカーに触れると起動。参加者が各自名乗ると座席位置と名前を取得して話者を識別する。スマートフォンでは小型画面に表示されたQRコード、PCでは個別のミーティングIDからURLにアクセスすることで、記録が開始される。
セキュリティに関しては、記録開始時に発行されたミーティングIDを知らない限りアクセスできないので、会議に参加していた人だけが内容を知ることができるとしている。データはクラウド上に保管され、7日後にテキストと音声データが消去される。
スマートスピーカーに自分の名前を伝える様子
Record Meetingの開発に当たりTISが会議の悩みについて調査したところ「議事録の作成が業務を圧迫する」「ICレコードは聞き直しに時間がかかる」といった意見があることが判明したという。
議事録の作成に加え、Record Meetingは会議の分析・改善にも活用できるとTISは説明する。発言のテキスト化により、話している人の偏りや効率が可視化されるという。また無意識に話していると膨大で分かりづらいテキストになってしまうので、結果として会議の参加者が話題の脱線を防いだり、議題を最初に話したりすることにつながる。
価格は、初期費用が14万8000円(スマートスピーカー、小型画面一式)。月額利用料が6800円、従量課金が1時間当たり1800円だ。機器貸し出しによる2週間のトライアル利用も無料で実施している(利用時間は20時間まで)。TISは、2019年度中に1000台の提供を目指している。
TISの担当者による説明をテキスト化したもの。現時点では価格の割に精度が高くない印象なので、今後の改善が期待される