Googleは米国時間7月30日、企業におけるハイブリッド/マルチクラウド戦略の推進に活用できる一連のツール群を発表した。これには、「Microsoft Azure」から仮想マシン(VM)を移行するための新たなサービス(ベータ版)も含まれている。またGoogleは、アプリケーションのモダナイゼーションに取り組んでいる企業に向けたネットワーキングポートフォリオの拡張も発表した。
まず、「Migrate for Compute Engine」が拡張され、Azure上のVMがサポートされるようになった。これにより企業はAzure上のVMを「Google Compute Engine」(GCE)へと直接移行できるようになる。現在はベータ版となっている。Migrate for Compute Engineでは既に「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)上のVMの移行をサポートしており、今回の新サービスはこれを補完するものとなっている。
またGoogleは同日、「Migrate for Anthos」のベータ版の提供開始も発表した。このツールを利用することで顧客は、オンプレミス上やGCE上のVMを、「Google Kubernetese Engine」(GKE)上で稼働しているコンテナに直接変換し、移行できるようになる。さらにGoogleは、サポート対象のVMソースを増やしており、Amazon EC2やAzureからもVMをGKE上のコンテナに直接移行できるようになる。
このほかにもGoogleは、サービスメッシュの配備と管理を促進するためのツールを強化している。これにより、企業のマイクロサービス採用に伴うサービスやトラフィックの管理を一貫性あるかたちで維持できるよう支援する。
「Anthos」プラットフォーム上での一般提供が開始された「Traffic Director」は、スケーラビリティーとレジリエンスを備えたフルマネージド型のサービスメッシュ用トラフィックコントロールプレーンだ。これにより、プラットフォームに依存しないネットワーク機能を実現する、「Envoy」や類似のプロキシーに対してコンフィギュレーションやポリシー、インテリジェンスが提供される。またTraffic Directorは、インテリジェントなロードバランス機能とともに、トラフィックスプリッティングやフォールトインジェクション、サービスへのミラーリングといった高度なトラフィック制御を提供する。
さらにGoogleは「Layer 7 Internal Load Balancer」(L7 ILB)のベータ版提供開始を発表した。これによりレガシーな環境下でのパワフルなロードバランス機能がもたらされる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。