5月に東京のデータセンター(DC)を開設、年内には大阪にも開設するという日本オラクル。データベース(DB)ソフトウェア市場のリーダーというポジションを10年後も維持すべく、DBクラウド市場をリードしていくという目標を掲げている。
OracleのAndrew Mendelsohn氏
8月6、7日に開催した自社イベント「Modern Cloud Day Tokyo」では、米本社のデータベースサーバー技術担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるAndrew Mendelsohn氏が、“自律型”リレーショナルデータベース管理(RDB)クラウドサービス「Autonomous Database Cloud」の現状や新機能など、データマネジメントにおける最新状況を説明。「ほかのクラウドベンダーのサービスはユーザー自身でチューニングが必要で、DBアプリケーションやその管理が難しい。エンタープライズ向けの提供になっていない」と、自律型の強みを強調する。
日本でも広がるAutonomous Databaseの現在地
Autonomous Databaseは、IaaS「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上のDBクラウドサービス。パッチの適用や自動バックアップなど、DBやインフラの管理、チューニングを機械学習(ML)によって自動化するという。ユーザーの運用管理やチューニング作業負担を軽減し、業務に注力できる点をメリットとしている。
分析作業に特化したAutonomous Data Warehouse(ADW)と、オンラインでのトランザクション処理など、より汎用向けのAutonomous Transaction Processing(ATP)の2種類を展開。日本での導入も増えているという。
事例を紹介
3つの直近のアップデート
Mendelsohn氏は、直近で提供を開始したという3つの新機能を紹介。一つ目は、6月から提供する「Autonomous Database Dedicated」だ。パブリッククラウドのOCI内にユーザー企業ごとの占有環境を構築。隔離されたプライベート環境でAutonomous Databaseを稼働でき、パッチ適用などをコントロールできるという。
「クラウドのメリットは共有インフラ、サーバーレスでスモールスタートできるという点だったが、使用の拡大に伴ってプライベート環境のニーズが強くなってきた」(Mendelsohn氏)。とくに大手企業に向けた機能拡充になるという。