ソフトバンク、博報堂、Armの3社は9月5日、データ活用による企業の変革を支援する合弁会社「インキュデータ」を設立したと発表した。
インキュデータは、データ活用の戦略立案、分析基盤の構築・運用、コンサルティングを通じて顧客企業を支援するという。ソフトバンクの匿名化データ、博報堂グループが保有する消費者データ、Armのカスタマーデータ基盤「Arm Treasure Data enterprise CDP(eCDP)」、3社のデータ分析技術・活用ノウハウを掛け合わせて、顧客企業に適したサービスの提供を目指す。eCDPは、国内外400社以上で導入されているという。
近年、人工知能(AI)やIoTが急速に普及し、企業活動においてデータ活用の重要性が高まる一方、活用すべきデータのサイロ化(他のシステムや部門と連携せずに孤立していること)や、データ活用の戦略を立案・実行できる人材の不足が課題となっている。その結果、売り上げの向上などを目的としたデータ活用では、第三者が提供する「サードパーティーデータ」を広告に使うことが主流となっていた。
インキュデータは、顧客企業が独自に保有する「ファーストパーティーデータ」、パートナー企業が持っている「セカンドパーティーデータ」と、サードパーティーデータを組み合わせて分析。その上で、eCDPと連携する各種マーケティングツールなど、外部システムを活用して施策を行う。
期待される効果としては、顧客企業のマーケティング活動において、集客の効率化や優良顧客の増加、顧客の離反抑止などがあるという。またデータ分析によって引き出された消費者の潜在的なニーズや意識を営業や商品企画、製造や物流の過程に活用することも可能だ。
顧客企業の支援は、以下のプロセスで実施する。
- データ活用の戦略を立案
顧客企業の課題解決に向けた変革の全体設計を行い、データ活用の戦略を策定 - データ分析・活用基盤を構築・導入支援
顧客企業の利害関係者、ベンダー、セカンドパーティー/サードパーティーデータの提供事業者などとの調整を進めながら、データ分析・活用基盤の構築・導入を支援 - データ分析・活用基盤の運用と各種施策の実行を支援
さまざまなデータが集まるデータ分析・活用基盤を顧客企業が運用できるようにする。また、消費者視点のマーケティング活動の設計や事業計画の策定、各種施策の実行を支援
インキュデータの事業イメージ(出典:ソフトバンク、博報堂、Arm)