ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーのドーモは10月23日、新組織体制と今後の成長戦略についての説明会を開催した。新体制では、OpenTextグループ日本法人代表取締役社長から転じた萩野武志氏が8月1日付で代表取締役社長に、シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括から転じた高橋慎介氏が10月1日付で取締役会長にそれぞれ就任している。さらに、米Domoのインターナショナル バイスプレジデント グローバル ゼネラルマネージャー サプライチェーン IoT担当のJohn Clark氏も日本に駐在して、新体制を支援していくという。
Domoのインターナショナル バイスプレジデント グローバル ゼネラルマネージャー サプライチェーン IoT担当のJohn Clark氏
まず登壇したClark氏は、「外資系企業に良くある米国での事例を日本市場で横展開していくというやり方だけではなく、日本のユーザーニーズを正しく把握し、日本発の事例を世界に展開していく」と語り、日本市場重視の姿勢を示した。
続いて荻野氏は、前職でEIM(Enterprise Information Management:企業情報管理)に取り組んで来たことに触れ、「肥大化する非構造化データをデータレイク化してワークフローと連携、各国の法規制を絡めた時に、『どうデータガバナンスを提供できるか』というソリューションを展開してきた」と語った。この経験を踏まえてドーモでは、「データ活用の幅を拡げ、経営価値を向上させていくニーズがますます高まっていく」と述べている。
ドーモ 代表取締役社長の萩野武志氏
ドーモにおいて荻野氏は、「必ず日本企業のデータ活用の世界を成功に導く」と抱負を語った。また事業方針として、「お客さまへグローバル知見を展開」「セグメントベースのアプローチ強化」「お客さまとパートナーさまの“CxO”連携強化」――の3点を挙げた。
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日本市場向けには、顧客企業の規模に基づいて「Corporate Small」「同 Middle」「同 Large」「Enterprise」「Large Enterprise」の5つのセグメントを設定し、それぞれの分野に強みをもつパートナー企業との連携を深めながら、「現時点では市場での認知度があまり高くない」(荻野氏)という現状を踏まえ、特に多数を占める中堅・中小企業向けのアプローチを強化していく方針だという。取締役会長の高橋氏は、IT業界での35年以上のキャリアにおいて一貫してパートナービジネスに携わってきた経験を生かし、ドーモのパートナービジネスを担当する。
同社のソリューションは、“単なるBI、単なるダッシュボードではない、ビジネスオペレーティングシステム”を標榜しており、あらゆるソースのデータを統合する「接続(CONNECT)」、大量のデータを高速配信する「保存(STORE)」、クレンジング、結合、統合を行う「準備(PREPARE)」、全てのユーザーにインサイトを提供する「視覚化(VISUALIZE)」、シームレスなコラボレーションを可能にする「コラボレーション(COLLABORATE)」、AI(人工知能)ツールの新たな活用法である「予測(PREDICT)」、作成済みアプリケーション(APP)とカスタムAPPをサポートする「拡張(EXTEND)」の7つのコンポーネントで構成されるクラウドベースのプラットフォームが基本となる。
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7つのコンポーネント全てを導入して一貫した包括的なソリューションを構築することもできるし、既に導入済みのソリューションがある場合などには、特定の機能モジュールとして他社製品を組み合わせたり、幾つかのコンポーネントだけを先行して導入したりといった柔軟性も確保される、とする。Clark氏は、一般的な導入例としては「CONNECT & TRANSFORM」「VISUALIZE & ANALYZE」「BUILD APPS & EXTEND」という3段階で、必要なモジュールを順次導入していくことが多いとしている。