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第4回:“OMO”を意識した顧客体験--チャネル横断の情報連携が勘所

照井栄介、里泰志、米田友樹 (クニエ)

2019-11-08 07:00

始めに

 O2O(Online to Offline)に関する施策が浸透して久しいが、いま新たにOMO(Online Merges with Offline)という考え方が広まりを見せている。

 例えば、量販店へ買い物に行く場合をイメージしよう。あなたは(1)来店前にその量販店のウェブサイトで商品を確認し、(2)気に入った商品があったのでお気に入りに登録した。(3)来店後お気に入りに登録した商品が店頭で用意されていたので受け取った。帰り際、実物に触ってみて気に入った商品があったので(4)アプリでバーコードをスキャンして、後日(5)ウェブサイトで購入した。購入後、(6)送られてきたアンケートに答えたら次回使えるクーポンをもらえたので次に何を買おうか悩むところだ。

 実際にこのような体験をされたことがある方も読者の中にはいるのではないだろうか。このようにオンライン(ウェブやアプリ)とオフライン(店舗)を意識せず買い物できる便利な世界観こそがOMOの考え方そのものである。今回は実際の事例をもとに、OMOを取り入れるに当たってのポイントについて考察していく。

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オンとオフの間にある障壁

 オンラインとオフラインの連携は各所で実施されているが、必要な情報がシームレスに連携できているとは限らない。実際にサービスを利用してみるとチャネルをまたいだ購買行動において少なからずフリクション(つまずきや違和感)を感じることがある。具体的には、例えば下記の様なことがよく見られないだろうか。

  • EC(電子商取引)サイトでお気に入りに登録したのに、アプリに連携されていない
  • 店舗で見た商品を再度ECサイトで見るとき、改めて探さなければならない
  • 店舗でアプリの機能を使おうにも深い階層にあってすぐに使うことができない

 これらの問題はチャネル単体で見たときには何も感じないかもしれないが、チャネルを横断すると途端にフリクションと感じられてしまう。情報が連携されていない、改めて調べなければならない、使いたいタイミングで使えないといったフリクションを取り除き、素晴らしい顧客体験を提供するためにはチャネル全体を意識した利用シーンを描く必要がある。

OMO:オンとオフを融合させることの本質

 チャネルをまたいだ世界観を作るための考え方としてO2OとOMOが考えられるが、これらは似て非なるものである。その違いは、特に大きく2点あり、1つは「方向性の有無」、もう1つは「実施主体」である。

 まず、O2Oにはオンラインからオフラインへという明確な「方向性」がある。例えば、会員に向けて割引クーポンをウェブやアプリに配信し、オフラインである店舗へ送客するといったケースである。次にO2Oには企業が「実施主体」であるという特徴がある。これは季節行事や閑散期など集客したい時期に集客するための施策を実施していることから企業側の思惑が先行しているといえる。

 一方、OMOはオンもオフも区別しない日常的な体験の中で消費者と企業と自然に接し、そのときに一番便利な方法で購買行動を取ることができる世界観を描く。つまり、そこに「方向性」はなく、消費者はオンとオフを自由に行き来するのである。消費者は自由に行き来する中で今一番便利なチャネルを自ら選択することができる、このようにOMOでは消費者が「主体」であると言える。

 比較するとO2Oは企業が消費者を動かすための施策であり、OMOは消費者がオン/オフを意識しない顧客体験といえる。いわばO2Oは手段で、OMOは概念であると言い換えられる。

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