東証と富士通、株式売買システム「arrowhead」を4年ぶり全面刷新

ZDNET Japan Staff

2019-11-05 17:09

 東京証券取引所(東証)と富士通は11月5日、東証の株式売買システム「arrowhead」を4年ぶりに全面刷新したことを発表した。取引処理などのさらなる高速化が図られている。

 arrowheadは2010年から運用されている。今回の刷新では、高速性と高信頼性を両立した従来のシステムをベースに、利便性の向上を狙いとしたという。例えば、大引け(後場の最後の売買)に限って更新値幅を2倍に拡大し、売買ニーズが高い引けにおいて終値での約定が成立しやすくなったという。

 また、急激な株価の変動を抑止するために東証が導入している、価格の急変動を周知する「連続約定気配」では、2015年9月の更改時に小口注文が殺到して連続的に約定が発生する場合にも表示するように改良されたが、今回のシステム公開では、基点となる約定から60秒が経過するまでの間について、一定の値幅(気配の更新値幅の2倍)を超過して値動きしないよう改良したとしている。

 処理性能もさらに向上しており、注文応答時間については従来の0.3ミリ秒が0.2ミリ秒に、情報配信時間も1ミリ秒から0.5ミリ秒にそれぞれ高速化された。この他に、arrowheadと接続する取引システムの開発テストを原則として全営業日の早朝と夜間にも行えるようになった。

 新システムは、富士通製の「FUJITSU Server PRIMERGY RX2540 M4」400台やインメモリーデータ管理ソフトウェア「FUJITSU Software Primesoft Server」などで構成されている。

システム公開による売買制度の改善効果(出典:東京証券取引所)
システム公開による売買制度の改善効果(出典:東京証券取引所)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]