状況をみながら、出社判断基準に基づく役員からのアナウンスがあるという状態がしばらく続きました。
提示された出社判断基準。15日とは3/15のこと(出典:サイボウズ)
社長の青野氏の実際の投稿(出典:サイボウズ)
3月だったため、経理部では決算に向けた作業が実施されていました。「在宅勤務が難しい内容の業務」と経理部のメンバーも考えていましたが、状況を考慮し、リモートで自宅作業できるよう情報システム部主導で対策。無事に決算を終えることができました。
これら一連の体験が、私たちの在宅勤務制度を本運用させていったのはいうまでもありません。
ルールの簡素化
試験導入中は「月4回まで」だった在宅勤務制度は、台風や大雪などの通勤困難が理由の場合は月4回を越えてもOKとなり、そのうち制限なし(個人とマネージャー判断に任せる)となっていきました。
また申告も、前日申告と成果申告から、前日申告のみとなり、現在は当日申告も可となっています。
ルールの簡素化は、災害などコントロールできない外部要因が増えていったことと、色々運用していくうちに「信頼関係」に基づいて運用する方がお互い気持ちが良いと気付いたからです。
現在では、各チーム内のコミュニケーションでの申告とあわせ、スケジュールも共有することで運用しています。
現在の一例(出典:サイボウズ)
以上が、サイボウズがリモートワークを導入していった経緯です。
震災という大きな出来事と重なり、あまり汎用的な例とはいえないかもしれませんが、リモートワークのメリットを全社員で体感できました。現在の運用につながっていると言えるかもしれません。
ルールと信頼関係のバランス
「制度を作る」ということは、いわば「ルールを作る」ということ。しかし、運用していくうちにそのルールが先行し、本来の意図とは違うように解釈されたり、使われたりということは少なくありません。
リモートワークも、対象者や場所、セキュリティなどを考慮すると、一見「ルールだらけ」の制度になりがちです。
サイボウズの在宅勤務制度も、最初は成果報告を求めることから始まりました。既述のように、それを「しんどいな」と思い、積極的に利用しようと思いにくかった点があります。また、「さぼっていると思われたくない」という気持ちが出てくるのもリモートワークならではの悩みです。