また、新たな関数として数式のフィルター処理を行う「FILTER」、指定範囲や配列を並べ替える「SORT」、対応する範囲や配列に基づいて並べ替える「SORTBY」、重複のない値のリストを返す「UNIQUE」、重複セルにまたがる数値を生成する「SEQUENCE」、複数のセルに乱数を作成する「RANDARRAY」、以上の6つが加わった。さらにExcelからVisioのフローチャートを素早く作成する「Visio Data Visualizer add-in」が利用可能になっている。
Wordは、共同編集時に他者の変更内容がリアルタイム受信する精度を高めることで、より快適な共同編集を実現した。現在テスト中のOffice Insiderでは、他の共同編集者もオーナーの編集結果が素早く反映する修正が加わっているが、安定性を欠くのかバージョン1911での実装は見送られている。
macOS版を含むその他の更新
バージョン16.31(ビルド19111002)に更新したmacOS版だが、リリースノートによれば、Excelはいくつかのセキュリティ修正と、Visio Data Visualizer add-inへの対応。Word、PowerPoint、Outlookはパフォーマンスに関する修正を施している。
バージョン2.31(19110400)に更新したiOS版は、Outlookで機密ラベルのサポートと他のユーザーが提案した会議への応答を可能にした。ここ数カ月の更新状況を見回すと、使用頻度の高いiOS版OutlookでWindowsデスクトップ版と同じユーザー体験を再現するため、開発リソースを集中させているように見える。
その傾向はバージョン16.0.12228.20260に更新したAndroid版も同様で、Outlookに機密ラベルのサポートが加わり、会議に関するファイルやドキュメントがイベントリストに並ぶようになった。Android Wearデバイスで受信メールを閲覧可能になったのも大きな特徴といえる。また、Excelは「並べ替えとフィルター」のデザインをモバイルに最適化し、フィルターを適用しやすくなった。
Office Onlineは、ウェブ版PowerPointでデジタルペンによる描画機能を拡大し、ウェブ版Excelでワークシート間コピーの書式保持と、Visio Data Visualizer add-inの対応が加わっている。ウェブ版Wordはリボンの一部を右ペイン移動可能になったと説明しているが、日本語環境は未確認。@(メンション)を用いたコメントとメールの連携が進み、インラインによる返信を可能にしている。