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レッドハット、SRE間の連携を実現する新パートナープログラムを発表

渡邉利和

2019-12-16 10:58

 レッドハットは12月12日、パートナー企業向けプログラム「Red Hat OpenShift Managed Practice Program」を発表した。Kubernetesベースの企業向けコンテナー基盤「OpenShift」のマネージドサービス(PaaS/SaaS)を提供するパートナー企業を対象とした支援プログラムで、「技術者の育成による安定したサービス提供とOpenShiftのビジネス機会拡大を目指すもの」だという。

 具体的には、「OpenShift Dedicated」(レッドハットが保守運用するフルマネージドサービス)を実際に運用するRed HatのSRE(Site Reliability Engineer)チームとのワークショップを半年ごとに米国/日本で実施し、マネージドサービスを提供するためのさまざまな運用ノウハウ、技術情報やベストプラクティスをパートナー企業と共有する。このプログラムは日本発の取り組みだと言い、参加パートナーは伊藤忠テクノソリューションズ、NTTコムウェア、NTTデータ、NEC、日本IBM、野村総合研究所、日立製作所、富士通。

 会見の冒頭でレッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏は、2019年の活動テーマを「オープンハイブリッドクラウドでIT業界を変える」ことだとした上で、OpenShiftを「オープンハイブリッドクラウドの中核を成すテクノロジーの中の1つ。いわゆる“クラウドネイティブ”なアプリケーション基盤」と位置付け、その重要性を強調した。また、OpenShiftが年々数倍規模の目覚ましい成長を遂げていることを明かし、「コンテナー市場の中で確固たる地位を築き、マーケットシェアを確実に獲得している状況だと確信している」とした。また、OpenShiftを支える強力なパートナーとのエコシステムの構築が重要だとし、こうした認識が今回のプログラムの提供につながったとした。

 続いて、詳細を説明した同社 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の金古毅氏は、市場の実態について「日本ではITプロフェッショナルの7割がパートナーにいる」と指摘。これを踏まえ、コンテナーの普及が進行する中でKubernetesに詳しい人材の不足やスキルの不足が懸念されることに対する解決策としてマネージドサービスを位置付け、「管理するOpenShiftから、利用するOpenShiftへ」という流れがさらに加速するとした。その上で、今回のプログラムの意義について、Red Hatのマネージドサービス運用チーム(SRE)と国内のパートナーの中にいるSREとの間でナレッジを共有することだと指摘した。

 SRE(Site Reliability Engineer)という考え方はGoogleが提唱したもので、DevOpsという文脈において意味を持つ。アプリケーションの開発者と運用管理担当者が一体化したような存在で、運用中に不具合が見つかればすぐにコードの書き直しを含む迅速な対処によって問題を解決していく、というDX(デジタル変革)時代のスピード感を下支えする体制だ。一方で、迅速な意志決定には権限の委譲や責任の明確化が不可欠であり、だからこそ本来のSREはサイトの構成や実行されるコードに責任を負う存在として機能しているのだろうと思われる。

 今回のプログラムは、このSREの役割を、長く続いてきた日本型のIT業界モデルを維持したままでパートナー側で機能させることを前提として、パートナーに対する支援を提供するという意図で設計されたように思われる。その結果として、DevOpsやDXといったトレンドも、最終的には“日本流”に翻案されてパートナー経由で実行される形が定着することになるのか、あるいは長く続いた“パートナー依存”のITから、自社ビジネスの中核として自社で手掛けるITへという変化がついに始まるのか。望月社長の言う「日本のIT業界を変える」という取り組みがどのような方向へ向かうことになるのか、興味深い。

集合写真
プログラム参加パートナーのうち、発表会に参加してプレゼンテーションを行った6社のパートナーの代表者と日本マイクロソフトの佐藤氏、レッドハットの望月氏、金古氏。左から右へ、レッドハットの望月弘一氏、伊藤忠テクノソリューションズの松丸達也氏、NTTコムウェアの関洋介氏、NTTデータの松浦誠氏、NECの上坂利文氏、日本IBMの伊藤昇氏、富士通の金重憲治氏、日本マイクロソフトの佐藤久氏、レッドハットの金古毅氏。日本マイクロソフトは今回のRed Hat OpenShift Managed Practice Programの参加パートナーではないが、同日付で提供開始が発表された「Azure Red Hat OpenShift」に関連してRed Hatとのパートナーシップの説明で佐藤氏が登壇したもの

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