「そんなの聞いてないわよ。自分のことは自分でじゃないの? あと、そんなに土日が使えないんじゃ荷造りは大丈夫?」
「……うっ」

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たった2人の引っ越しでも「誰が、何を、いつやるか?」について、すり合わせなければならないことがたくさんありますね。多くのシステムや関係者が関わるデータセンター移転で、年単位の全体のスケジュールから移転当日の動きまでをコントロールするのは、荷が重すぎて気が遠くなってしまいそうでしょうか? でも、一歩ずつ進めていきましょう。
1.大まかなスケジュールを立てよう
住居の場合、引っ越しの計画開始から完了までどのくらい時間がかかるでしょうか? 賃貸住宅の場合で考えると、物件探しに1~2カ月、契約して1カ月以内程度には入居開始として、全体が約3~4カ月程度のプロジェクトと考えられます。
また、家財を搬送する引越作業の回数は基本1回、多くて2回程度でしょう。そして、これまでの住居と新居で契約が重複する期間は、1週間未満から長くて1カ月以内が一般的でしょう。
ではデータセンターの場合はどうでしょうか?
- 移転先の要件定義からデータセンターを決定するまで:3カ月から半年
- 持っていくもの、調達するもの、移転先に構築する基盤・移行スケジュールの検討:3カ月から半年
- データセンターの利用開始、移転先データセンターの準備(基盤の構築):3カ月から半年
- 実際の引っ越し(システムを新データセンターで立ち上げ完了まで):3カ月から1年以上

というわけで最短1年から数年単位の期間が必要になります。おおよそ、引っ越しの企画開始から移転完了までは、計画と移転先の準備で1年、システムにあわせた移転実施で1~2年はかかるでしょう。