オーストラリアの大手小売企業Colesは、国際規模でサプライチェーンの可視性を高めるため、クラウド型業務ソフトウェアを展開するInforのサプライチェーン管理ネットワーク「Infor Nexus」をグローバル取引の基盤として採用した。米Inforが1月17日に発表した。
これによりColesは、輸入プロセスの合理化とコスト削減、国境を越えたサプライチェーンの近代化を目指す。同社は、オーストラリアで初めてInfor Nexusを導入し、2020年中に運用を開始する予定だという。
InforはColesの取り組みにおいて、Infor Nexusが流通在庫や配送センターの在庫削減による運転資本の削減、貨物・滞船・通関を含む輸送コストの削減、運送企業との取引の簡素化が可能になるとしている。
Colesの運用・変革担当エグゼクティブゼネラルマネージャーを務めるKevin Gunn氏は、Infor Nexusが世界中の在庫をリアルタイムで可視化すると言及しつつ、「顧客にとって重要なのは、商品が手に入るかどうか。電球、ハーブやスパイス、アルミホイルやゴミ袋といった台所用品などの売れ筋商品は、オーストラリア国内で調達できず、海外のサプライヤーに頼るしかない」と述べる。
「在庫がどこを移動しているかを把握することで適切な計画ができるようになるとともに、店舗に商品を搬入するまでの時間を短縮して顧客がより多くの商品を手に入れることが可能となる。また、サプライチェーンにおける在庫管理の時間が短縮されることで、運転資本を活用することが可能となる。加えて、州をまたがる在庫移動を極力抑えればトラックの移動回数が減り、サプライチェーン全体を効率化できる他、輸送の安全性向上や炭素排出量の削減にもつながる」(Gunn氏)