NTTデータの新サービスにみる「クラウドインテグレーターも兼ねたSIerのサバイバル競争」

松岡功

2020-01-30 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NTTデータが提供する「Salesforce/Tableauの導入、展開支援を統合したワンストップサービス」を取り上げる。

Salesforce/Tableau導入、展開支援サービスを提供

 NTTデータは先頃、SaaSとして人気の高い顧客関係管理(CRM)サービス「Salesforce」と分析プラットフォーム「Tableau」を導入する企業に対し、これらを掛け合わせたワンストップサービスを2月1日から提供開始すると発表した。

 新サービスは「BI/DWH/ETLシステム」を用いて、あらゆる顧客接点の情報を集約、統合し、人工知能(AI)を活用した複雑なデータ分析から得るインサイトをもとに、Salesforceでより適切な顧客アプローチの実現を目的としている。

 BI/DWH/ETLシステムとは、データ連係(Extract、Transform、Load:ETL)でデータウェアハウス(DWH)に蓄積するためのデータを抽出、変換、書き出して、ビジネスインテリジェンス(BI)で分析する仕組みのことである。

 NTTデータは新サービスにおいて、経営、業務課題を起点としたコンサルティングから運用、定着化まで一元的に支援を行う。

 顧客企業にとっては新サービスを利用することにより、業務の改善や高度化を実現するとともに、顧客ターゲティングに向けて顧客に寄り添った方法やチャネルを選択し、適切なアプローチを実行することでカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上が期待できる。

 NTTデータが新サービスを手掛けるのは、2019年にアメリカのSalesforce.comがTableau Softwareを買収したことが後押しになったようだ。

 同社ではこれまでSalesforceのプラチナパートナーであり、Tableauのゴールドパートナーとしても両社のサービスを提供してきた。また、SalesforceとTableauそれぞれの導入企業に対して、プロフェッショナルサポートや「NTTデータTableauコンピテンシーセンター」といった付加サービスを提供している。

 しかし、最近になって企業の顧客接点がより多様化するなか、顧客データを統合、分析し、徹底した顧客の理解を起点とした製品、サービスの新規創出、継続的改善が経営戦略の中核となりつつあることから、それぞれ単体のサービスだけでなく、組み合せたサービスの提供も求められるようになってきた。今回の新サービスはこうしたニーズに応えたものである。

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