両社の最上位ランクのパートナーとして、ワンストップサービスを提供するのは、NTTデータが日本で初めてだという。(図1)

図1:ビジュアルデータの活用サイクル(出典:NTTデータ)
主な特長としては、ワンストップサービスとして、これまで分断されがちだったデータ分析とそこから得たインサイトの業務適用を、SalesforceとTableauの連携によってシームレスに実現。また、あらゆる顧客接点で発生するSalesforce以外のデータソースについても、BI/DWH/ETLシステム領域で20年以上の開発実績があるNTTデータのシステムインテグレーション力によって対応可能だとしている。
新サービスの活用を検討する企業に対しては、顧客データ活用成熟度アセスメントの結果をもとに、「コンサルティング、構想策定支援」「経営課題起点の顧客接点業務改革、高度化事例適用」「業界、業務別アウトプットサンプル、テンプレート適用」「DWH/ETLシステムおよびデータマネジメントのための仕組み構築支援」「導入、組織展開、ユーザー教育、定着化、文化醸成、カスタマーサクセス支援」といった5つのメニューから組み合せて提案する構えだ。(図2)

図2:顧客データ活用成熟度アセスメント(出典:NTTデータ)
クラウドインテグレーション力がSIerにとって不可欠に
以上が新サービスの概要だが、この発表に向けてSalesforce.comの日本法人セールスフォース・ドットコムで常務執行役員アライアンス本部長を務める井上靖英氏が寄せたコメントが、今回のサービスのインパクトを言い表しているので紹介しておこう。
「当社は、日本において業界初となるSalesforce/Tableauの導入、活用支援を統合したワンストップサービスの提供開始を歓迎する。顧客と深くつながることに優位を持つSalesforce製品群にTableauが入ったことで、高度なデータ分析結果をもとに高い顧客体験を提供することができるようになる。NTTデータが両製品の価値を最大化し、お客さまのビジネス成長につながる仕組みを提供することを期待している」
筆者が今回、このサービスを本稿で取り上げたポイントもこのコメントに集約されている。
さらに、筆者の視点として挙げておきたいのは、NTTデータがシステムインテグレーター(SIer)の国内最大手であることを考えると、今回の新サービスをめぐる動きは、SIerが「クラウドインテグレーター」としてもユーザー企業に認められるかどうかが、今後の生き残りをかけた競争のポイントになることを改めて浮き彫りにしたといえよう。