NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、敷島製パンの直営店舗内で取得した店舗利用者の行動データを匿名化し、デジタルマーケティングに活用する。2月1日から12月末まで実証実験を実施する。
実験のイメージ図
一般にEC(電子商取引)サイトでは、購買あるいは離脱に至るまでの利用者の行動を把握することが容易だが、実店舗においては利用者の行動をデータとして把握することが難しい。NTT Comは、この課題を解決するため店舗内における人の流れを解析して、実店舗におけるマーケティングのデジタル化を実験する。
NTT Comが持つ人流解析技術を活用し、敷島製パンの実店舗において取得したデータをクラウド上にアップロードし、利用者の行動を解析する。敷島製パンはそのデータを使って直営店舗のマーケティング戦略を立案する。
具体的には、店舗内に設置したビーコンが、スマートフォンの位置情報を匿名で自動的に収集・解析する仕組みとなっている。小型のビーコンを用いることで、店舗側は容易に設置・設定できるという。店舗の利用者は専用アプリを導入したり、事前に会員登録したりする必要はない。
利用者の名前や住所といった個人情報を一切取得せず、匿名データとして行動を解析する。店舗に来店した人数、頻度、店内の回遊性などを分析することが可能。クラウドにデータをアップロードする際には、認証サーバーを用いて安全性を高めている。
今後は、取得したデータを店舗の混雑状況の把握や予測、売れ筋の商品を置く場所の最適化に活用するほか、人員配置の最適化や出店計画などにも活用していく予定。