ソルネットは、2018年度から参加しているIoTを活用した酒造メーカーの生産性向上に関する実証実験の最新情報を発表した。北九州産業学術推進機構が中心となって、2月から麹・もろみの温度計測実証実験の開始された。ソルネットは、要件定義(機能、開発モデル、ネットワーク、利用条件、性能要件、運用など)、アプリケーションの開発・提供、センサーの調査・選定・仕様の検討にかかわっている。
この実証実験は、北九州地区ものづくり中小企業におけるIoT技術導入を促進するため、「工場内の見える化・稼働中の製品の見える化」のモデルケースとして実施されている。具体的には酒造メーカーにおける、麹やもろみの発酵温度計測の効率化を目指す。
酒づくりでは、発酵工程の全期間を通じて、杜氏が定期的に温度の目視計測と温度調整作業を行うが、室や蔵に張り付きで一定時間ごとに計測する必要があり、杜氏への負荷が高い上、他の作業を並行して行えないため効率が悪いという課題があった。
実証では、センサーでの温度計測結果がいつでもどこでもスマートフォンで確認できることで杜氏の作業負荷を軽減し、最適なタイミングで温度調整作業を行っていく。さらに計測業務の負荷軽減のみならず、他の作業を行いながらでも温度がモニタリングできることによる生産性の向上について検証する。
2月から麹・もろみの温度計測実証実験を開始し、自動化に向けた基礎データ収集、さらに温度計測アプリケーションによる業務負荷の軽減、生産性向上への寄与度合いを測定していく。なお、2020年10月から溝上酒造での麹発酵温度計測システムの本番稼働開始を予定している。