アズビル、PLMシステム業務にRPA適用--5カ月間で約200時間削減

NO BUDGET

2020-03-12 14:13

 オートメーション・エニウェア・ジャパンは、大手制御・計測機器メーカーのアズビルがRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ソフトウェア「Automation Anywhere Enterprise」を活用して、製品ライフサイクル管理(PLM)システム関連の業務を自動化したと発表した。

 現在、PLMシステムのユーザー登録・削除、登録情報の閲覧許可、変更開始ワークフロー、変更実施ワークフローといった業務について、20以上のソフトウェアロボット(ボット)を稼働させて自動化している。その結果、ユーザーがマニュアルで作業していた時と比較して、処理時間を5分の1から半分程度まで短縮することができた。加えて、本格運用を開始した2018年11月から2019年3月までの5カ月間で、約200時間の作業時間の削減を達成した。

 同社はRPAを業務に適用するに当たり、ユーザーが無意識に属人化させていた業務プロセスを単純化し、ボット化しやすいように見直した。また、アプリケーションの不具合やネットワークの遅延などでボットが止まってしまっても、止まった時点から再実行できるように設計している。

 アズビルでは2017年5月にPLMパッケージ「Windchill」を導入し、製品の企画段階から廃棄に至るまでの全行程で、設計図や部品表のデータを共有・管理してきた。同社は、カスタマイズコストとアップデート時の検証作業時間の低減を目指し、標準機能をできる限りそのまま利用して、業務プロセスを見直すという方法を選択。しかし標準機能を活用することで、本来必要のない操作を求められたり、社内用語と画面の用語が異なったりと、実際の業務との差分が生じてしまったという。

 そのためアズビルは、まず「Microsoft Excel」ファイル形式の申請書を使って行っているPLMシステムの管理業務を改善することにした。当初はExcelのマクロや独自システム開発を検討したが、操作性やコスト面で課題が残ることから、Windchillのようなウェブアプリケーションとの相性が良く、Excelのマクロと比較して操作が分かりやすいRPAソフトウェアの検討を開始した。

 複数のRPAソフトウェアを比較する中で、複雑なWindchillのインターフェースを処理できるのはAutomation Anywhere Enterpriseだとし、日立ソリューションズの提案を受け、同製品の導入を決定した。

 アズビルでは今後、他部門への水平展開も視野に入れている。業務品質の向上も実現できたことから、今後は計画的にPLMシステム以外の業務にもRPAの適用を進めていく方針だという。

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