スタイリストとAIが協働--パーソナルスタイリングサービス「DROBE」が提供開始

大場みのり (編集部)

2020-03-17 07:00

 ファッション関連サービスを展開するドローブは3月13日、女性向けのパーソナルスタイリングサービス「DROBE」の提供を開始した。DROBEでは、プロのスタイリストとAIがユーザーの好みや体形、予算に応じた商品をスタイリングし、定期的に届ける。提供に当たり同社は、説明会を開催した。

 同社は2019年6月、DROBEのクローズドベータ版を従業員の家族や知人約200人に提供。同年9月のオープンベータ版を経て、今回の正式提供に至ったという。

ドローブ 代表取締役CEOの山敷守氏
ドローブ 代表取締役CEOの山敷守氏

 同社が女性のファッションへの関心度を調査したところ、「関心はあるが、個性を発揮するより周囲からすてきだと思われたい」「関心はそれほど高くないが、きちんとしていると思われたい」といった人々が全体の約7割を占めると分かった(図1)。同社は、これらの層を中心にDROBEを提供していくという。

図1:女性のファッションへの関心度 図1:女性のファッションへの関心度
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 サービスの流れは、約70問にわたるアンケートを基に担当スタイリストとAIが商品を選定。提案する商品のデータを事前に送って好みのすり合わせを行い、ユーザーが気になるものだけを発送。ユーザーは同梱されている「スタイリングカルテ」を基に試着し、不明点があった際はスタイリストに質問できる。そして気に入った商品のみを購入し、不要なものを返送する仕組みとなっている。専用のアプリケーションをダウンロードする必要はなく、DROBEの「LINE」アカウントを登録後、全てのやりとりがLINE上で行われる。

 アンケートでユーザーの好みを調査する際は、「フェミニン」「マスキュリン」といった言葉だと曖昧なため、16パターンのコーディネートを表示し、好みかどうかを「はい」「少し」「いいえ」で選んでもらう。体型に関しては、ユーザー自身が肩幅やウエストを測るのは手間がかかるため、よく着ているブランドのサイズを記入してもらい、AIが各部位のおおよそのサイズをはじき出す。DROBEが提供している大半のブランドのサイズデータは取り込まれており、ユーザーがそれ以外のブランドのサイズを記入した際は、担当スタイリストがブランドのECサイトで調べるという。予算は、ユーザーが商品のカテゴリーごとに支払える価格帯を選択して決まる(図2)。

図2:テイスト・スタイル、体型、予算に関する選択画面 図2:テイスト・スタイル、体型、予算に関する選択画面
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 DROBEでは商品の購入/返品時にその理由を回答してもらうことで、選定の精度を向上させている。回答フォームには選択制の項目と自由記入欄があり、次回も同じスタイリストを希望するかどうかも選ぶことができる。スタイリング料は税別2900円で、初回は無料。配送頻度は1、2、3カ月の中から選択できる。DROBEに参画しているブランドは100以上で、取り扱う商品数はシーズンによって変動があるものの、10万SKU(アイテムの最小識別単位)以上に上る。

 DROBEの既存ユーザーは、30~40代が約8割を占める。「年齢に合ったファッションを知りたい」「コーディネートのアドバイスが欲しい」「洋服選びの時間や手間を削減したい」など、さまざまな理由で利用しているという。オープンベータ版を提供した6カ月間での累計登録者数は1万人以上で、購買率は80%以上、スタイリングの満足度は5段階評価で4.2以上だとしている。

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