三井E&S環境エンジニアリングは、オートメーション・エニウェアのRPA(ロボティックプロセスオートメーション)基盤「Automation Anywhere Enterprise」を活用して、管理部門や現場部門を含めて横断的に業務を自動化した。3.5カ月で70個のソフトウェアロボット(ボット)を開発し、180時間の作業時間を削減した。
自動化の例としては、メールに添付されたExcelデータの集計や経理システム内のデータの転記のほか、基幹システム内で管理されている工事番号を抜き出して別の関連システムに登録するといった作業が挙げられている。
同社の業務では、1つの作業を大勢が大規模で行うのではなく、1人が1つの作業に取り組むことが多く、ソフトウェアの選定を始めるに当たっては、その人だけの作業を代行してくれる、いわば自分の分身をパッと作れる「文房具」のようなソフトウェアが適切だと考えた。複数のソフトウェアを比較検討した結果、Automation Anywhere Enterpriseが採用された。
Automation Anywhere Enterpriseを利用している部門は経理課、企画部や人事部、建設部、安全衛生管理室、技術部、O&M運転統括課、設計部、資材部、整備部など多岐にわたり、管理部門だけでなく現場部門でもシステムをまたいで横断的に業務が自動化されている。またボット本体とは別に、簡単な機能に特化した再利用可能な部品(メタボット)を200以上準備したことで、現場の業務改善に必要なボットの量産につながっている。
同社では、RPAによる業務自動化の効果として、これまで実現できなかった新たな業務が生み出され、そのことで効率性が高まったという点も高く評価している。
例えば、工事の報告書提出の催促について、以前はExcelで作られた工事予定表の中の報告書名称とその提出期日を、担当者が見ながら電話で行っていた。しかし、RPAが提出期日を判断しやすいように工事予定表を作り直した上で、今では工事予定表上の予定をボットが判断し、報告書納期の通知メールを事前に自動送信できるようになった。これにより連絡業務の負担が減り、納期管理も効率的に行えるようになったという。