Googleは米国時間4月23日、「Flutter」を利用している開発者が200万人を超えたと発表した。Flutterはモバイル/デスクトップ/ウェブ上で動作するアプリを開発する際に使用できるユーザーインターフェース(UI)フレームワークであり、「Google I/O 2018」で、「本番環境での利用が可能」(production ready)になったと宣言されていた。
Microsoftは開発者会議「Build 2020」を5月にオンラインで開催するとしているが、Googleは3月、2020年の年次開発者会議「Google I/O」を完全に中止すると発表した。5月12~14日に開催予定だった。
Flutterは、ネイティブなクロスプラットフォームアプリを開発可能にするという点で、Facebookの「React Native」やMicrosoftの「Xamarin」と同等のフレームワークだ。Stack Overflowが2019年に開発者を対象に実施した調査によると、3つの中で最も広く利用されているフレームワークはReact Nativeであり、その後にXamarin、そしてFlutterが続いている。
しかしGoogleのTim Sneath氏によると、Flutterの利用者は増加しているという。同氏は、新型コロナウイルスのパンデミックという未曽有の事態が発生したにもかかわらず、3月の開発者数は2月に比べて10%増加したと述べている。また、Flutterを利用している開発者は月単位で「50万人近く」に上っているという。
Flutterユーザーの60%は「Windows」で作業している。また、開発者の27%は「macOS」、13%はLinuxを利用して開発を進めている。
同社によると、Flutterユーザーの職場は35%が新興企業、26%が大企業、19%が自営業、7%がデザインエージェンシーだという。
さらにSneath氏によると、「Google Play」ストアには現在、Flutterを用いて開発された「Android」アプリが約5万本公開されており、そのうちの1万本近くは過去1カ月間でアップロードされたものだという。
Flutterが利用されている上位5地域は、インド、中国、米国、EU、ブラジルとなっている。
Sneath氏は、アプリのiOS版とAndroid版の開発でFlutterを選択している、ブラジルのフィンテック新興企業Nubankについて紹介している。
またGoogleは、Flutterの安定性と予測性の向上を目的とする、リリースプロセスの変更についても発表した。同社によると、現状ではリリースのビルド時期や、リリースに含まれるコードが、コントリビューターや開発者にとって分かりにくいものになっているという。
さらに同社は、ブランチモデルにおけるテストの考慮が不十分であり、リグレッションやバグに対処するホットフィックスが散発的にリリースされる結果、新たなバグが引き起こされるリスクについても言及している。
同社は現在、新たなブランチモデルに移行しようとしている。Flutterの4月のリリースからこのモデルの運用を開始するとともに、レビュアーによって選び出された重大なバグに取り組むためにベータリリースと安定版リリースに「安定化期間」を含めるようにするという。
さらに同社は、Flutterとプログラミング言語「Dart」のリリースプロセスとリリースチャンネルの歩調を合わせようとしている。これにより、Dartにベータチャンネルが用意され、Flutterのベータチャンネルと同期が取られるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。